第23話 亜希

多恵の家には生活ができる程度のある程度のものは揃っていた。

亜希が、色々と必要そうなものをくれたり、買ってくれたりしていた。亜希は長年、多恵と同僚という立場で関わっては来ていたが、圭介の件が起きるまでは、仕事以外で関わってきた事がなかった。

多恵は、自身の父親の影響から宗教に入っており、長い間、宗教活動に勤しんでいたのだ。そのため、周囲との交流はあまりなく、宗教関係者と関わっている事が多かった。

しかし、お金が自分の手元になくなった途端、宗教関係の知り合いは、助けるのではなく、多恵の近くから皆去って行った。それを機に多恵は、宗教を脱退し、同僚の亜希や、舞と交流を持つ様になったのだ。

亜希は、思い立ったら直ぐ行動するタイプの人で、多恵が経験していない様ないろんな事を経験していて、一緒にいると楽しくて仕方がなかった。多恵は、小林とも連絡は取り合ったりもしていたが、今の生活を崩したくないと思い。LINEでのやりとりだけで、小林と会う様な事はなかった。

多恵は、アニメが好きだった事は周囲にあまり話さなかったが、亜希には、良く話をした。それは、亜希も、色んなアニメをよく見ていて、唯一話が合う存在だったからだ。

話を共有できる事も多恵は嬉しかった。アニメが好きと話すだけで馬鹿にされるのではないかなと思っていたからだ。

しかし、亜希は自分の好きなものや、やりたい事を隠す事はなく楽しそうに話す為、多恵も気楽に話す事が出来る様になっていた。

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