第9話 出会い

圭一と離婚し、仕事に夢中になっていたが、多恵の、のんびりした行動は、職場では受け入れられず、注意される事が多かった。

それでも必死に働いた。

圭介の通院も、しなくなっていた。

圭介は、小学校に入ってからも落ち着きがなく、多恵が夜勤をしている時には、夜中に出歩き警察から連絡が来ることも少なくはなかった。それでも多恵は、圭介に注意をしたり怒る事はなかった。

圭介が中学にあがった頃、多恵には、小林という好意を寄せる人ができていた。小林とは、ネトゲで知り合い連絡を取り合う様になり、仕事を探していた小林に自分の職場で働けるよう仲介をした。そこから小林と食事に行ったりゲームをしているうちに付き合い始める事となった。家を留守にすると父がうるさかった為、小林と同棲する事を前提に、多恵は実家を出る事にした。父には大反対されたが、圭介も中学生になり、実家も手狭である事を理由に、古い貸家を借りる事にした。

引っ越しをして直ぐに、小林との同棲を始めたが、その途端小林は仕事を辞めた。その後、何回就職してもすぐに仕事を辞めてしまい長続きしなかった。生活の殆どを多恵が面倒を見ているような状態であった。小林は、多恵より13歳若く性格は穏やかで、圭介とも気が合い仲良く過ごしてくれた。多恵にとってはそれが幸せに感じていたのだ。

圭介も、小林に懐いていたため、以前より落ち着いたように感じた。

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