第17話 家を探す
多恵は、圭介に会った時の為に、貴重品を持ち歩かない様にしていた。
そのおかげで、圭介にまたお金を持っていかれることは無かった。しかし、銀行で手続きした後のキャッシュカードは手元に無く自宅に送られるため、不安に思っていた。
亜希に、そろそろキャッシュカードが届いている頃で取りに行きたい事を話すと、家まで付いてきてくれた。圭介の居ない時間に合わせ家に向かい、家のポストを覗くと、不在連絡票が入っていた。多恵は安心した。
キャッシュカードは、やっと多恵の手元に戻ってきた。
居候を始めて2ヶ月経った頃、多恵は安いスマホを買った。久しぶりに気持ちが昂っていた。
多恵は、舞の家の掃除や洗濯を率先して手伝っていたが、一緒に暮らす中で、不満に思う事も多かった。
亜希に愚痴を漏らすと、亜希は、「ずっとお世話になるわけにはいかないし、安く引っ越せる所を探したらどうかな」と言い、多恵は「出来るだけ早く引っ越したいな」と言った。
しかし、多恵は自分で家を探すような行動はなく、亜希が、お金が掛からないような引越し先を色々調べてくれた。
しかし、内見すると、多恵は色々不満を漏らしなかなか決まらなかった。
また、保証人も立てられる状況ではなく、保証会社も、出てきた家で入っている為審査が通るとは思えなかった。
そんな時、亜希が「ここのシェアハウスなら保証人いらないみたい安いし見に行ってみたらどうかな?共同生活場があるから、必要物品も揃っているだろうし」と話してくれ、興味のあった多恵は、「行きたい、連絡取ってくれる?」と亜希に頼んだ。
亜希は大家と連絡を取り、多恵と内見に向かった。大家は親切な初老男性で、部屋も綺麗に手入れされており、掃除も行き届いていた。多恵は直ぐに「ここにする気に入っちゃった」と大家と契約をした。
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