35

全然関係ないですが、主人公は真剣な時は一人称が僕から俺に変わります。



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「じゃあ、ありがとうございました!」


お礼を言いメシドコロを後にする。


見送られながら青空に舞った時だった、居酒屋が爆発したのは。


「「!?」」


即座に後ろを向くと黒煙が登っていた。


恐らく、ただの事故じゃない。これは僕たちを狙ったものだ。


「どうする?」

「助けるぞ!」

「わかった。カバーに入る。」


もしかしたら死んでるかもしれない。いや、死んでる方が可能性が高いだろう。


だが、よくしてくれた人を見捨てるほど人として終わってない。

一応ローズに確認したが一目で助けると言った。なら、自分はそのカバーを全力でしよう。


「結界、何人たりと入れず、何も入れない。鑑定!」

「鑑定!ヒール!」

即座に人払いをして状態を確認する。

何人かは軽傷だが、一人は瀕死だ。

「どんな感じ?」

「やばいぞ!腕が千切れてて出血が抑えられない!」


「た、助けて…」

「な、店が…」


「俺は軽傷の方を先に…いや、先にそちらを終わらそう。ヒールで先に腕の付け根に一点集中するんだ。結界で魔法の効果範囲を狭めてその分回復効果を高めよう。」

できるがどうかわからないが、これは水と同じだ。

同じ量の水が出る時、狭い範囲で出た方が威力も上がる。

狭く、深く。

たった一点に絞り込む。

「…行けそうだ。なるほど、こういう方法もアリなのか…!?」

ローズが何やら驚いている。

ま、僕、天才だしねw

「わかった。あ、店主さん!この人の血液型わかりますか?」

「わかんねぇ!と、言うよりもこの爆発ってお前さんらを狙ったものだろ!?早く逃げろ!」

「…飯代だと思って受け取ってくれ。」

おじさんたちの傷を錬成と創造で癒していく。

ほんと、良い人たちだな。


「血余ってるか?」

「たりねぇ!なんかあるか?」

やって見るしかない。

「血液を鑑定。創造だ。」

お、この人膵臓に癌がある。治しとこ。

「錬成で癌を消去っと。」

「ほい、血を投与しとくね。」

「わかった!」


錬成で血を流していく。

「おじさん、この人膵臓に癌があったから治しといたから。病院で検査しといてって言っといて。」

「お、お?わかった!?」


よし、やる事は終わった。腕は治したし血も補充しといた。軽傷の人たちも治しといた。

…うん、メシドコロ半壊してるしちょっと金あげよう。


「金を創造。店主さん、これを店の修理代にして。ローズ、いくぞ!」

拳以上に大きい金の塊をあげる。

錬成で空に飛ぶと後ろから何か言われたが無視する事にした。

時間は五分も掛かってしまった。ちょっとやばいかもしれない。


結界を壊して気配遮断を使う。

…魔力足りるかな?

まだ三分の1しか使ってないけど大丈夫だろうか?

「無常の国ってこんなにやばいの…?」

「いや、めっちゃ平和。恐らく僕たちを狙って来たもんだ。」

こんなところで嘘を言うわけにもいかない。

何より、ローズはこれからこの世界について知ってしまうのだ。

変な嘘はバレてしまう。


とりあえず、めっちゃ傷ついているローズは置いておいて考える。

なんで此処がバレた?

いや、確かに掲示板に僕たちの写真を比嘉さんが投稿したのは知っている。

だとしても爆弾を仕掛けるにしては早すぎる…

あの店の客の誰かが連絡した…?

いや、違うな。僕たちが入った後にお店を出た人はいなかった。

入る時も気をつけて入ったはずだし…本当なんでバレたんだ?
















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