異世界配信開始

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 目を開けるとそこは空一面に広がる世界が映っていた。

 視線をマメ一つ分下げると青々とした森が目に映る。

 おそらく日本においてでもここまで人工物がない自然というのはなかなかないのではないだろう。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 きれい…

 すげー!!

 これがマジ物異世界か…

 なんだまだ森しかないじゃないか、ドッキリかもしれんぞ

 ドッキリでどうやってあの黒い空間だせるかご教授していただけませんでしょうかwww

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 どうやら視聴者さん達もの人たちもみんなこの景色に感動しているようだった。

 ともかく景色に見とれている場合ではない。

 人を探そう。この世界について知るために。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

『というわけで何か案ない?』

 こいつ!いきなり脳内に…

 いきなりすぎてワロタwww

 なるほど、これだったら独り言で怪しまれないな。

 川は探すのどうだ?案外すぐ見つかるかも。

 ↑確かに川沿いに歩いて行ったらよく村があるって聞いたことがある

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 言っておくが、これは声に出していない。

 頭に浮かんだらそのまま言葉に反映されるらしい。

 他の配信の能力を簡単に言えばこんな感じである。


 •カメラ画面は自分で移動することができる。

 •1日に合計1時間だけ移さないことができる。もし時間が余ったら貯金することができる。

 •自分がどれぐらい見られているかというのをランキングで見ることができる。だが、他人の順位を見ることができない。

 •ブロックしたいと思ったユーザーをブロックすることができる。

 と色々出来るのだ。


 だが、川を探す前にやっておかなければならない事がある。

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

『というわけでスキルの確認しーます!!』

 待ってました

 よしキタこれ

 お主分かっておるな?

 ちくわ大明神

 ↑誰だよおい

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 いや、誰だよおい

 まぁ、とりあえず。スキルの実証だ


 まずは鑑定スキルから。

 近くに生えている木の実を鑑定する。

 …よし出来た。

『鑑定がレベル1になりました』

『ミモ 果実

 食べることができる』


 おおー

 でた

 ……コメント欄には誰も鑑定について書き込んでいないようだが…見えていないのだろうか?

 でもこれ、おかしいよな?

 なんで人間に都合よく書かれているんだ?

 別に都合よく書く必要なんてないのに。

 ……できるかやってみようか。


 鑑定を鑑定


『スキル名 鑑定レベル1

 本人が理解できるように指定したものを表示する

 また、スキルレベルが上がれば分かることも増えていく』

 なるほど………それじゃあこういうのはどうだろうか?


(成分表にして表示しろ)

 するといくつかの知っている成分が表として出てきた。

 何個か文字化けしていたり、分からない部分もあるがそれはおそらく元の世界になかった物質でもあり、またこの世界においても発見されていなく名称がつけられていない物質だからだろう。

 とりあえず鑑定についてはこれでいい。解釈や応用範囲が広そうだ。


 次は身体能力強化。

 魔力を消費して身体能力を上げると書かれており、やってみると体の中から得体の知れない何かが飛び出してきた。

 それはとてもごく少ない感じだったが何かが飛び出してきたと言える感じであった。体が高揚している。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 おう、どうした?

 何か見た?

 つか早くそろそろ移動しね?

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「いや、何でもない。そろそろ行こう。」

 顔に、いや、行動に出て行ったのかもしれない。

 確かにとりあえず移動しながら少しずつでも進んで行こう。

 ガソリンを燃やすイメージで森の方向に走っていく。

 ほんの少しだけだが、いつもよりは体が軽くて、速い。

 少しずつだが魔力が体内から減っている感じもする。

 ……よしじゃあこの魔力を体になじませるようにしていこう


『身体能力強化がレベル1になりました。』

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