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冒険者ギルドを聞き込みをしながら探しているとあの村でお馴染みだった赤い屋根の大きな建物があった。
ちなみに横に大きかった。
中に入ると酒の匂いと汗臭い匂いが混ざったあまり長くは居たくなかった。
まだ錬金ギルドは薬の匂いでマシだった。
壁に張り付いてある依頼書を見る。
壁は二つに分かれており、右が迷宮こと、ダンジョンについて。
左は街中と外に関する依頼だった。
依頼数的には左の方が多い。
右の方はどちらかというと換金ルートみたいな感じで、たとえば『ダンジョン内の魔道具買取』や、『魔石の買取』など。
今回は金がすぐ欲しいので左から選ぶことにした。
「この依頼、受けます。」
「はい、でしたら冒険者カードをご提示ください…あ、他の街からいらしたのですね!ついでに登録もしておきます。」
“ありがとうございます”とお礼を言うと受付のお姉さんは笑顔で返してくれた。
そういやあの爺さん…どんな顔でどんな名前してたっけ?
「お姉さん、名前を伺ってもいいですか?」
「ごめんなさい。新人さんは知らないから言っておくけど、受付の人は自分の身を守るために名前を教えてはいけないの。でも名前がなかったら不便だからセシリーって呼んでね!」
なるほど。エージェントセシリーってことか…かっこいいな。
「ではセシリーさん。この依頼のモンスターについて教えてください。」
そう、スライムについて。
それから話を聞き、ギルドを後にした。
彼女曰く、スライムはとても動きが遅く、体内にある魔石を壊すと簡単に倒せるという。
ゼリウスの森ではスライムたちが合体してデカくなるらしい。
そして、今回の依頼はデカいスライムの魔石採集とスライムの遺骸を燃やすこと。
ちなみに森の中で燃やすと爆発して火花が飛び散るとの事で池付近で燃やして欲しいとのこと。
いや、爆発するってなんだよ。
ちなみに爆発すると言ってもほんの少しらしい。
意味わからん。
「この異世界、結構色物すぎん?」
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色物なせいでもう半分近く死んでいる件について
え?まじ?
チャンネル半分くらい消えてるで
爆発って何?
そういや遊び半分でスライムに火をつけたら至近距離で爆風受けて顔面火傷したやつおるで
まじかよ
もしかして爆発のポーションってスライムが原材料だったりして
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村の子供たちもスライムに火は近づけてはいけないと習うらしい。
「と、言うわけでスライム見つけたけど…予想の二倍くらいデカいね。」
気配察知と錬金魔法による地形把握の応用で見つけたけど…デッカ。
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それは、スライムというにはあまりに大きかった…
雑魚とは言えない
これ、魔石を壊したら死ぬんだっけ?
けど、魔石を回収してきて欲しいという依頼やで
どうすんの?これ
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どうすると言われましても…こうするしかないよね。
スライムの体表に触る。
ちなみにスライムは触っても安全らしい。火がなければだが。
「鑑定」
うんうん。どうやら普通のスライムみたいだね。
「錬成…はできないか…」
錬成は相手の抵抗力が少ないほど錬成がしやすくなる。
イメージ的には、銅線とかは電気が通りやすいけど、真水は苦手。みたいな感じだろうか?
「ゴム手袋を創造。」
まぁ自分で取り出すしかないですよね。
手袋をはめてスライムに手を突っ込む。んー、ローションという感じやな。
お、あったあった。魔石を取り出すと体は安定性をなくして崩れ始めた。
一体どういう仕組みなんだろうか?
ちょうどいい。このスライムの液体部分の鑑定をしてみよう。鑑定っと。
「…ん?」
なんか一つだけスライム全体に分布している物質がある。
この物質…もしや爆発の原因物質では?
「錬成…凝縮できんのかい。」
しかも固体になった。まじかよ。
(いや、ほんとかどうかわかんねぇしやってみないと。)
というわけで早速スライム焼却場となる池にきて放火したらなんと爆発しちゃいました〜イエーいピースピース^^
…いや、これダイナマイトみたいなもんやん。早速異世界主人公がやってはいけない事やらかしたぞ?コメント欄も大荒れだよ。
ちなみにスライムの例の物質を抜いた残骸は燃えなかったので放置していたら勝手に蒸発して行った。
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『この爆発性と保湿性を掛け合わせる物質名をスラニトロって名付けるけどオケ?』
まぁいいんじゃね?
一番持っては行けないやつが持ってる定期
無常今ネットで炎上してるで
いつもしてんだろ
やってんね!
物理で炎上しろ
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「あーあれだ、あれ。」
俺、なんかやっちゃいましたか?
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