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「……ぁ、……?」


 何もない、何もない。


 水が滴るような感じもなければ、呼吸できなくて苦しめられるという感じもしない。

 空虚だ。無だ。

 そう言わないで、説明できないような空間がそこにはあった。

 いや、本当はその程度では説明すら出来ていないだろうがではそう言っておかなければならない。

 だが、不思議と嫌な所じゃなかった。どちらかというとまるで元々、我々人間が居るべき所に戻ってきたかのような…

 少しずつだが意識ははっきりしてきた。


 あとひとつ、訂正何もないわけではなかった。

 白く光っている四角い何かがそこにはあった。

 だいたいの予想はつく。こういう異世界ものではテンプレだ


 だけど普通白の部屋とかじゃない?

 …別に文句はないんだけどさ、


 そう思って白い物を見たらたくさんの文字を書かれていた。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 起きたぞ!!

 やっと起きた

 遅いぞ!

 高校生か?

 …………………

 ……

 …


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 ……も、しか、して、…


 今、この状態から見られている!?

 っていうか多分この反応、全世界から!!


 …いや、だとしたら説明がつく

 あの残り何日なのか知らせる数字が様々な人が見える理由が。 

 今、このコメントの全てが読める理由が!


 とりあえず何か行動しなければならない。

 コメント見てみると…なるほどな。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 とりあえずステータスを揃えろ

 他の奴らもさっさとやってるぞ

 右下に設定のマークがあるから

 それよそれ!

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 言われた通りにしてみると右下のところに歯車のマークがあった

 おそらくこれは設定のマークだろう。出てきたのは様々な数字と文字だった

 俺の目線の先にはSP100と書かれてあった。

 スキルポイントのことか?

 …どうやらコメント欄を見てみるとだいたいその認識で合っているらしい。


 この100ポイントで生きてこいということだろう


 とりあえずパッと見て行く


 …マジでいろんな種類がある、剣術スキルから水泳スキルまで。

 ……だけどなんで魔法系がないんだ?


 普通に異世界と言ったら魔法だろう!!

 そうだろう?な?


 …まさか魔法がない世界とかじゃねえよなあ??


 そう思って見ていたらコメント欄にこんな書き込みがあった


“横にスライドしろ!早く急ぐんだ!!”


 何かと思って横にスライドしてみればそこにいろんなものがあった


 ……………………いや、いろんなものがあったといた方がいいだろうか


【火魔法0】


【水魔法0】


【土魔法0】


【風魔法0】


【無属性魔法1】


【毒魔法0】


【錬金魔法1】


【回復魔法0】


 選択可能数1


 これ0ってことは……0?

 0?!

 そこに一つとんでもない爆弾が投下された

“残り一個ずつしか残ってないぞ?”


 なるほど。つまり俺の異世界生活終わった、というわけだな?


 拝啓、全人類の皆さん。

 残り少ない時間ですがこの配信を楽しんでいってくださいね?


 属性の横書きのところにはどれか一つしか選べませんと書いておりこの残り二つあるうちのどちらか一方を選ばなければならない


 だが、これだけ言わせてほしい。

 この残り二つはだめだ。


 まず無属性魔法

 よく異世界ものとチートとかよくあるがそんなのは生まれて努力してきた人間が手に入れられる力だ。


 仮に何もせずに手に入れられたとしてもそもそも話これがどういうものなのか

 すらわかんない。


 よくあるのが魔力の塊飛ばすとか、だがそんなの向こうの世界に着いて早く使えるものじゃないんだろう。


 錬金魔法もそうだ。


 よくあるのが地面を操作したり水を氷に変えたりするのがイメージだがポーションを作るというイメージもある。


 正直なところ戦闘で使えそうではない。


 と言うか日常生活でも使えるかどうかすらわからん。


 …………………だがどちらがイメージできるかといえば錬金魔法だろう。


 まだこちらの方がましだ。


 そう思って僕は錬金魔法を手に取ることにした。













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