概要
レンズの向こうに映る君は、桜のように綺麗だった——
桜庭美乃莉にとって、写真といえば自分の生き方そのものであり、幼い頃から風景や人物を沢山撮りその道を歩んでいた。
そんな彼女には、人生で唯一撮れなかった人がいた。
桜の花弁のような桃白色の髪がいつも目を惹き、優しい笑顔でいつも心を満たしてくれる親友の相川コハルの写真だけは一枚も残されてはいない。
彼女とは常に一緒で、登下校の時はもちろん悲しい事や楽しい事があったときはいつでも傍にいてくれていた。
その親友をファインダーで覗く度に、彼女の輝きを写すのを躊躇ってしまう。
フラッシュの光と共に、何処かへ消えていってしまいそうで。
まだ同じ時間を過ごしていたくて、そっとカメラを仕舞っていた。
しかし、そんな二人にも別れの時は確実に近づいていた。
夢のために故郷を離れる美乃莉に、コハルは秘めていた想
そんな彼女には、人生で唯一撮れなかった人がいた。
桜の花弁のような桃白色の髪がいつも目を惹き、優しい笑顔でいつも心を満たしてくれる親友の相川コハルの写真だけは一枚も残されてはいない。
彼女とは常に一緒で、登下校の時はもちろん悲しい事や楽しい事があったときはいつでも傍にいてくれていた。
その親友をファインダーで覗く度に、彼女の輝きを写すのを躊躇ってしまう。
フラッシュの光と共に、何処かへ消えていってしまいそうで。
まだ同じ時間を過ごしていたくて、そっとカメラを仕舞っていた。
しかし、そんな二人にも別れの時は確実に近づいていた。
夢のために故郷を離れる美乃莉に、コハルは秘めていた想