第21話 サイン会当日①
「お、落ち着いて、、深呼吸よ、、1、2、、1、、」
「か、香織こそ落ち着きなよ!カウントダウン最初に戻ってるし!」
サイン会場でShine本人の登場を待つ中、私達は息を整える。
件の浮気事件や詩音のこともあって忘れていたけれど、同じくShineのファンである香織と応募したこのサイン会。
未だに実感が湧けないまま当日を迎えてしまっていた。
けれど、それは香織も同じようでーー
「はぁ~!!どうしよう!メンバーと喋ること、まだ何も考えてないよー!」
「私も、、」
頭を抱える香織の隣で私も同じ気持ちでいた。
ちなみに香織はクールキャラのソウマ推しである。
何回応募しても当たらなくて、ついに当選したこのサイン会はメンバー全員と喋れるという何とも豪華な内容なものだった。
しかしそんな豪華な内容な分、緊張は高まり、周りは私達のように平静を保ていない人達ばかりである。
気持ちを落ち着かせながらメンバーとの会話を脳内シミュレーションしていると、会場スタッフから整列を促される。
香織と私は整理番号の差がある為、「生きて戻ってこよう」なんて言葉を交わして、私は香織より前の番号の方へと並んだ。
やがて始まりの合図がかかると1番の人から順番にボードで仕切られたブースの中に入って行く。
「はい!ありがとうございます!」
「本当ですか?嬉しいです」
「また来てくださいねー!」
徐々に順番が近づき、聞こえてくるメンバーたちの声。
や、やばい
急にめっちゃ汗が!!
「次の方どうぞ」
そんな事を思ってる間にもついに順番が来てしまい、もう一度深呼吸をしてから私はブースの中へと飛び込んだーー
と、同時に視界に入ってくる今まで画面越しに見ていたメンバー達の綺麗な顔。
ひえー!!!キラキラエフェクトが見えるっ!!
もちろん3人ともカッコイイけれどやっぱり一番目が行くのは、、、
レン…!!
ばっちりと目が合ったレンは画面越しに見てきたまんまの大好きなあのレンで、、
だけど、なぜか驚いたように目を見開いて私を見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます