第38話 報道
「一体どうなってるんですか!?」
「俺が聞きたい。これは本当なのか?」
連日報道されるニュース。
マネージャーから目の前に差し出された記事。
見出しには大きく「国民的アイドルShineレン熱愛報道」
そう書かれていた。
けどその相手はーー
「僕は付き合ってません!あの子とは、、
ユカとはただの知人です!」
「じゃあこの写真はどういう事なんだ?」
マネージャーが指した写真は熱愛の確定証拠とも言われても仕方のないキス写真
…のように見えるものだ。
確かに服装等からして、僕とユカである事は間違いない。
キスをしているようにも見える。
けど、もちろん僕はユカとキスなんてしてない。
なのに一体どうしてこんな写真が…
いつ撮ったんだ…
最後にユカに会った時を思い出す。
そういう風に見えるシーンがあるとすれば…
"あ、レンくん!頭にゴミ付いてるよ“
“え?どこ?"
"そこじゃなくて、、ほらここ!“
“取れた?"
"ううん、ちょっと待ってて…“
ユカの顔が僕の顔にぐっと近づく。
“はい!取れたよ!"
"ありがとう“
まさかあの時、、?
あの時に撮られたのならアングルによってはそういう写真に見えるだろう。
けど、理由を話したところで分かってもらえるのか、、?
既にビッグカップル誕生と大きく報道され、世間が大騒ぎしてしまっている。
マスコミにとっては真実なんてどうでもいいのだ。
ただ世間を騒がせるネタが欲しいだけ。
たとえそれが真実でなくても真実として作りあげてしまうのがマスコミだ。
めぐの耳にもきっとこのニュースはもう届いてるだろう。。
違うのに、、
僕には証拠がない。
ーー君に、弁明することすらもできない。
そもそも僕は何のためにアイドルをやっていたんだろうか。
こんなに苦しんでまで続けなきゃいけないことだったのか?
唯一の希望を失ってまでしても、、
こんな事ならいっそアイドルなんてやめてめぐの元に行ってしまえば、、
僕はもう何が1番大切なのかすら分からなくなっていた。
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