第14話 休日
詩音と会ってから1ヶ月が経った。
詩音はどうやら仕事が忙しいらしく、連絡はとっているものの会う事はなかった。
いくら仕事が忙しくても1ヶ月も会えないもんかな、、
よっぽどブラックな所なんだろうか。
それとも、、
私と会いたくないのだろうか。
私は会いたいと思っているからそれはあまり考えたくない事だけれど。
また話したいし、詩音の事をもっと知りたかった。
詩音は違うのかな、、
そんな事を考えながら仕事帰りの道を歩く。
ピロン
するとメッセージの通知が鳴った。
私は携帯を開き、ちょうど考えていた相手からだということに驚いてメッセージ内容を表示する。
”今週の土曜日会える?“
詩音からのその一言に胸が躍った。
* * * *
何となくお気に入りの服を選んで、待ち合わせの場所へと向かう。
待ち合わせ場所に着けば今日も変わらずサングラスにマスク姿の詩音を見つける。
「詩音!」
「めぐ!」
駆け寄る私に詩音が手を振る。
「久しぶり!元気だった?」
「うん。仕事が忙しくて大変だったけど元気だったよ」
私の問いかけにそう答える詩音。
お互いの近況を伝え合ったところで私たちは、事前に相談して決めた今夜の語り場となる居酒屋へと向かう事にした。
「そういえば詩音って何の仕事してるの?」
居酒屋へと歩き出しながら私は前から気になっていた事を聞いてみる。
「…あー、なんて言ったらいいのかな」
詩音は少し考える仕草を見せてから
「みんなに夢と希望を届ける仕事かな…?」
そう言った。
「……」
「あー、、っと、だから、つまり…」
「...素敵」
「え」
「すごく素敵!!警察官とかそういう感じ?」
「あ、あははは、、警察官とはまた違うけどみんなに笑顔でいてもらえるように頑張ってるよ」
「へえ~!カッコいいね!、、でも無理はしないでね…?」
「無理?」
「ほら、一か月間も仕事で会えないなんてさ、、、よっぽど大変な仕事なんだなって」
「あ~、まあ確かに最近は忙しくて」
「夢と希望を届けるってやっぱ楽なことじゃないよね…」
「う、うん。
…天然なのか、わざとなのか、、、」
「???なんか言った?」
「いや?!早くめぐと飲みたいなぁって」
「私も!!今日は飲みまくるぞー!」
そんな事を話して歩いていたらもう居酒屋は目前だった。
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