第4話 再会


「えっと、今どちらにいらっしゃいます?」





「病院です」





「病院?って、、あ!もしかしてさっき倒れて救急車で運ばれました?」





「そうですけど…」





「その時に救急車呼んだ男の人いませんでした?」






そういえば…倒れた時に助けてもらった男性がいたっけ。。





「いましたけど…なんでそこまで知ってるんですか?」






「あの、それ僕です。」





「え?」





「多分その時に僕が携帯を落として、救急隊員の方があなたの物だと勘違いしてバッグに入れてしまったんだと思います。。」





なるほど、、それならこの謎の現象も納得できる。





「あの、ところで体調は大丈夫ですか…?」







「はい!ストレスが原因で一時的な症状だったみたいで…もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしてすみませんでした、、」






「いえいえ、平気なら良かったです」






「…あの、ところでこの携帯はいつお返ししたらいいですか?」






「あー、、体調が回復してからでも大丈夫です!今はあまりお気になさらずにゆっくり休んでください!」






「いえ!そういう訳にもいきません!!携帯がないと不便でしょう?私の体調は本当にもう大丈夫なのでいつでも返せます!」






?「…ほんとですか?それなら、、明日…夜になっちゃうんですけどお会いできます?」






「はい!!」







そうして私達は明日会う約束をして電話を切った。





男の名前は香流詩音(かなれしおん)といった。






声からして、20代くらいだろう。





…そういえば電話に出た2人ともどこかで聞いた事のあるような声だったけど気のせいかな?






そんな事をぼんやりと考えたものの答えは出なかった。









次の日、私は仕事が終わると約束の場所に向かった。





待ち合わせしたは良いけど、、顔覚えてないしどこにいるのか全然分からない、、





顔は私の脳があの時正常であったのなら私の大好きなShineのレオ似、、?






いやいや、普通に考えてレオ似のイケメンなんてその辺にいる?







キョロキョロと辺りを見回してその人らしき人物を探す。






「はぁ…やっぱりわかんないや…」





電話をかけてみようと考えたが、携帯にはロックがかかっていて電話番号が表示できそうになかった。





とりあえず向こうから電話が来るのを待つしかないか、、そう思った時ーー





「…あの」






男性の声が私の背中に投げられた。





「は、はい!」






驚いて振り返れば、白のロングTシャツに黒いズボン、そして帽子とサングラスとマスクを身につけている男性が立っていた。









この格好、、どっからどう見ても、、







怪しすぎる、、!




顔の見えない相手を怪訝そうに見つめていると男が慌てた様子で「怪しい者じゃないです」と言ってから






「…あなたが僕の携帯を拾ってくれた方ですよね?」






怪しい者じゃないという証拠のようにその言葉を私に突きつけたのだった。






「あ、、もしかして持ち主の…香流詩音さんですか?」






「そうです!」






自分の疑いが晴れて安心したような様子を見せる男性。





それにしても







「よく私の事が分かりましたね」






「綺麗な方だったので覚えてますよ笑」






「そ、そんな、やめてください」







そんなお世辞に苦笑した私には






「本心なのに」






そんな男性の言葉は耳に入らなかった。





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