第7話 熱く尻を掴む
クロースとチヴィーチは二人同時にベッドに引き寄せられ、そして力強く抱きしめられた。
「ふぁ、あ、あら? えっと、あ、あら?」
「を、をーい! をい、な、何をするのだ! は、離すのだ!」
戦の経験は二人とも豊富。姫という立場であらゆることも経験してきた。
しかし、「コレ」は未経験だった。
「あ、あの、お姉さま、これはどうすれば! お、お姉さまはこういう経験あると思いますが、私は初めてなので……」
「い、いや、待つのだ! 儂も男を相手には初め……ではなく、おい! 何を気安く触れているのだ! いかに英雄とて、儂の体は簡単に食べてよいほど安い肉ではないのだ! しかも、く、クロースと同時になど……」
熱く滾る肉体で強く抱きしめられる。
知識の乏しいクロースで頬も体も熱く、そして心臓の鼓動が早くなり、チヴィーチも同じような様子で狼狽える。
「はあ、はああ! はああ! はああ!」
クエイクに二人の声は届かず、息も更に荒く興奮収まることない。
「あの、ひょっとして、わ、私たち二人とも……このまま……」
「のわああ、それは待つのだ! いくら何でも妹と同時とか、し、しかもよく知らん男になんぞ、待つのだぁ!」
二人とも本能で感じた。
――喰いつくされる
と。
そしてさらに、二人を強く抱きしめるクエイクの手は、二人の小さな尻を同時に鷲掴みにした。
「ひゃぅ!?」
「わひっ!?」
クロースはスカートの下の白いフリルの白い紐ショーツの上からガッツリと。
チヴィーチは元々布面積の少ない食い込んだ、小ぶりな尻をほとんど丸出し状態だったので、直にガシッと掴まれた。
「ど、どうしましょう……お、お尻、ん……お、お姉様……あ……うっ」
男の指先が尻を掴む。その指先によってグニッと尻の形が変わる。
その指先から熱い体温が直接伝わってくる。
その指先が尻と尻の狭間の入り口付近まで迫り、クロースは今まで感じたことのない感覚と緊張に襲われた。
「こ、こやつ!? わ、儂の、尻を、つか、い、痛いのだ……あぅ……あ、熱いのだ……にゃ!? もにゅもにゅ掴まれているのだぁ!? おひィ♡」
チヴィーチもその小さな尻を手加減なくギューッと握りしめられる。
クロースと違ってこっちは狭間にまで侵入してしまい、身震いして変な声まで出してしまった。
「こ、このままでは……あっ、ん! だめです、ち、ちからがはいらないですぅ……」
「や、だ、ダメなのだぁ、ん、ゆ、ゆびさきが……あ、あな、に……」
クロースは下着ぐらい見られることは特に何とも思わず、チヴィーチも尻を見られるぐらいは特に気にもしなかったが、男の手で直に触られ、それどころか直に掴まれるのは初めての経験。
驚きのあまりに二人はビクッと体を震わせ、同時に初めてのことに心臓をバクバクさせて戸惑うばかりであった。
しかし……
「お姉様……私……ど、ドキドキしてます……わ、私の、あ、す、すごいところ、もみもみされてます! あ、あつい……火照ります……」
「……うぅ……こんなところ、お、オナゴにも許してないのだ……それなのに、こやつはよりにもよって、わ、儂の……んごぉ♡ っ、こやつ……力強いし……胸板もちょっと逞しいのだ……」
不思議と、「拒絶」の感情が二人からは薄れてきた。
「私、初めて出会った男の子に……つらそうな顔や、悲しそうな顔、そして……雄々しい姿も見て……助けてもらって……そんな男の子に……こんな風に強く……抱きしめられています」
「……熱いのだ……儂のキュートな尻を鷲掴みにするなど……無礼なのだ……触るなら……もっと口説いてからするのだ……」
それどころか、出会ってからのクエイクとの僅かな時間にあった濃密な出来事を思い出し、徐々に緊張とはまた別の胸の高鳴りが芽生え始めた。
二人の体も火照りだし、抵抗が弱くなっていった。
「お姉様……」
「ん?」
「彼のこの熱い火照り……冷まして差し上げた方が良いかもしれませんね……」
「……まぁ……これだけ熱くなっていれば……スッキリさせてやれば、鎮まるかもしれぬのだ」
無垢で、知識に乏しく経験も無いクロースでも、自分が何を言っているかは分かっているつもりだ。
そして、チヴィーチも少し難しい顔をしながらも、クロースの言葉を否定しようとしなかった。
むしろこのときは「この男の子を助ける」という想い半分、もう半分は……
「私……彼になら……抱かれても……と思ってしまいました……」
抱かれてもいい。むしろ抱かれたいと思ってしまった。
「……ぬぅ……」
「ですから、お姉様は何とか抜け出して……私が彼のお相手を……」
「ま、待つのだ! こやつは理性失って暴走状態で……そんなこやつの相手を一人でしたら……うぬはぶっ壊れるのだ!」
「え? ええ? で、でも……」
「だ、だから、まぁ……儂らを救った恩人でもあるし……儂と半分こにすればうぬの負担も……」
「あら? お姉様ったら♪」
そして、チヴィーチもまたクロースだけにはさせないと、覚悟を決めた様子で頷いた。
だが……
「はっ?! あ……はあ、はあ……俺……」
「あら?」
「あ……」
そのとき、クエイクはハッとした表情になり、正気を失っていた目が僅かに正常に戻った。
「あ……俺……え? ええ?」
そして、クエイクは目の前の状況に思わず言葉を失った。
「あははは……ごきげんよう? す、少しは元気になりましたか?」
「……お、おお……おっす……なのだ。……さっきからワシの太ももに当たっているモノはずっと元気なのだ」
赤面した表情で苦笑するクロースとチヴィーチを、自分は抱きしめてベッドに連れ込んでいる。
さらに、自分の両手に感じる柔らかい感触を……
「わ! だ、だめだ!」
「きゃっ、え?」
「のわ!?」
この状況に気づいたクエイクは慌てたように二人を突き飛ばし、すぐに自分もベッドから飛び降りた。
しかし、僅かに理性を取り戻して正気に戻ったところで何も変わらない。
クエイクの震えはこのままでは鎮まらない。
マグマのように熱く滾り、震える体も、鼓動も、そしてスーパービンビンマウンテンも鎮まらない。
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