第32話 女騎士将軍改め雌豚奴隷に転職♥
魔界にも地上にも魔族にも人類にもその名を轟かせていた英雄、女騎士将軍ハーラム。
半日近くまで休みなく攻撃され続けた果てに、その英雄はもうこの世からいなくなってしまった。
――ブーーーリュルルルルルルルルルルルル♡♡♡♡♡
「うひぃ……こ、この振動に絶対勝てないっ♥ 負けるしかないのら~♥」
「どうなのだ? ハーラムよ。どうせなら貴様から色々と情報も欲しい。これからは旦那様の身の回りを世話する奴隷となりたいなら、儂らの問いに全部答えるのだ」
「こたえりゅ~♥ はなしゅ~♥ はなす! らから、もっろ、ぶるぶるぶるぶるくだちゃいなぁ~♪ ぶるぶるちゅうううう♥♥♥」
ハーラムは完全に壊れてしまった。
鋼の精神力も全て超振動によって粉々に砕かれてしまった。
半日休みなく激しく濃厚にブルブルされて、今では繋がれた状態で可能な限りクエイクにブルブルを求める。
「おひ♥ ぶるるるるるっる~♥」
口癖がブルブルになるぐらいブルブルされつくし、ただの盛りまくった雌となってブルブルを求める。
「ふふ……情けないものだ。これがあの女将軍ハーラムの末路とはな……」
「でも、仕方ないです。これがクエイクの力なのですから♪」
かつての天敵の哀れで淫らで、しかしどこか幸せの悦びを浮かべて喘ぐ女に同情なのかよく分からない感情を抱きながらシスティアとクロースは苦笑した。
「しかし、姉上よ。よいのか?」
「何がなのだ?」
「そやつから色々と帝国の情報を聞き出すというのは賛成だ。しかし、生かしてやる必要はあるだろうか? さらに、小僧の傍に仕える奴隷にするなど、裏切ったときに危険だ」
チヴィーチの考え。それは英雄ハーラムを処刑するのではなく、奴隷として引き込むというもの。
姫という立場上、様々な雑務に追われて、これからは少しずつクエイクと接する時間が減るかもしれない。
クロースは「頑張ります」と口にするも、彼女自身も決して暇な身ではないこともあり、今後は常にクエイクの傍に仕えて世話する役目を欲した。
本来なら自分たちの部下から誰かを選別するところであるが、チヴィーチは陥落したハーラムをそのまま使うことを選んだ。
「主従の首輪をつける。これをつければ正気になったところで、反逆もできぬのだ」
「しかし……」
「これほど極上な存在なのだしな。愛玩しても、壊しても、思うが儘の人形として旦那様にくれてやる方がいいのだ」
絶対服従の証となるマジックアイテムの首輪。
それは人としての尊厳を失うほどの外法の物。
本来なら、そんなものを装着されるぐらいなら、戦士であれば死を選ぶ。
しかし、ハーラムは目を「♥」にして悦んだ。
「つ、つけます! ご、ご主人様をガラクタなんて言った、クズな我は、うひ、奴隷になりましゅ♥ なんでもしましゅ♥」
「よいのだな?」
「はいでしゅ♥ 我は今まで、つまらない女でした! つまらない人生でした! つまらない男やクズ勇者たちなんかと無駄な時間過ごして、女の幸せしらないゴミでした♥ でも、今は違います! ご主人様に雌豚にされて、もう、幸せを見つけた♥♥♥ ご主人様の奴隷に我を♥♥♥」
光の英雄が闇に堕ちた瞬間であった。
ならば何も言わないと、システィアは溜息を吐き、そしてチヴィーチはハーラムの首に首輪を装着させた。
すると、首輪から紋様が広がり、ハーラムの舌に魔法陣、さらに臍の中心にも魔法陣の紋様が浮かんだ。
「これでウヌは儂らの奴隷なのだ。自殺も許されぬのだ」
「有難き幸せ♥♥♥」
奴隷となったハーラムの四肢を繋いでいた鎖をチヴィーチは外す。すると、解放されたハーラムはそのまま床にうつ伏せになって倒れ込む。
足腰がもはや立たないぐらいにその肉体は疲弊しきっているからだ。
しかし、それでもハーラムは床を這い、四つん這いになってクエイクの足元にすり寄り、その足に口を付ける。
「ごしゅじん、さまぁ♥♥♥」
チヴィーチたちの命令も今後聞くことになるが、それでも一番の主はクエイクであり、そのクエイクへの忠誠を誓うかのように、ハーラムはしてみせた。
そして……
「あ……ハーラム……」
そのとき、クエイクの目が正常に戻った。
「おっ、旦那様。副作用終わったのだ」
「お疲れ様です、クエイク。そして、ありがとう。あなたのおかげで勝利を得られました!」
「うむ、少々時間かかり過ぎだがな……まぁ、よくやってくれたぞ」
元に戻ったクエイクに笑顔を見せて労う三姉妹姫。
どうやら自分は期待にちゃんと応えることが出来たのだと分かったクエイクは笑顔を見せて頷いた。
「で、その……これは……」
「御主人さま! い、今まで、すまなかった! 帝国に居た頃から、無能な我はご主人様を何も分かっていなかった!」
「え? あ、え?」
「今この時より、我はご主人様専用の奴隷になる! 何をしてくれても構わない! 我が生まれてきたのは、全てご主人様にお仕えするためだ!」
ガラクタと呼んで毛嫌いしていたはずの自分に向かって「ご主人様」と言って媚びて甘えてくるハーラムの姿。
「というわけだ、可愛がってやるのだ、旦那様よ♪」
「はぁ……分かったよ……」
自分が副作用で意識のない中で何をしてしまったのかと少し頭を抱えるクエイク。
だが、チヴィーチたちがそれを望んでいるようなので、受け取り拒否はせず、クエイクもハーラムを受け入れることにした。
そして……
「う、うん、ごほん。さーて、これにて一件落着ということで……わらわも疲れた。交代制とはいえ監視も楽でなかったしな」
そのとき、露骨な咳ばらいをしてシスティアが伸びをした。
そしてクエイクをチラチラと照れ臭そうに見ながら……
「なあ、小僧よ」
「う、うん?」
「この度の戦……うぬの大活躍による勝利は紛れもない事実。魔界の姫たるわらわたち始め、多くの兵たちもそれを認めておる。だが……先の戦い……わらわも……頑張ったと思わぬか? 特に、うぬを少し回復させてやったであろう?」
「え、あ、ああ、そりゃもちろん」
クエイクは何も否定しない。確かに、システィアの協力がなければクエイクは再び立ち上がることが出来なかったのだ。
システィアの功績も大きいのは明白である。
しかし、今さらそれを確認してどうだというのだ?
クエイクだけでなく、チヴィーチとクロースもよく分からなかった……が……
「ゆえに、うぬもわらわに恩を返せ。その……体のふしぶしが疲れたので……今宵は……わらわをマッサージして労え! ブルブルマッサージだ! わらわの寝所へ来い!」
「え? あ……あ~」
「「ああ、そういうこと♡」」
これから寝室に来て、疲れた体をマッサージしろと告げるシスティア。
だが、それは誰がどう見ても建前であった。
「うん、分かったよ」
「う、うむ、当然だな」
「ご主人様♥ わ、我も傍に……」
「ええい、ハーラムは控えていよ。その、部屋の隅で大人しくしておれ」
「だってさ、おいで」
「はい♥」
そう言って、牢から出ていく三人。
「気張るのだ、システィアよ。今度からは……儂ら三姉妹姫全員で一緒に戦うのだ♡」
「幸せを味わってくださいね、システィア♡」
残されたチヴィーチとクロースも、本当は既に疼きまくった身体と火照った身体を覚ますためにもクエイクとブルブルしたかったのだが、勇気を出して踏み出して、これから大人の階段を登って女になろうとする妹の気持ちを尊重して、ここは我慢して見送……
「「………………」」
黙って見送る……
「やっぱ、儂らもいくのだ♡」
「ですね♡ これ以上のお預けは無理です」
「何よりも、妹が大人になる瞬間は間近で見ねばな」
「はい♪」
見送れなかった。
この期に及んで我慢できるほど、彼女たちに余裕はなく、走ってその背を追いかけた。
こうして、まだまだブルブルは終わらない。
――あとがき――
こうして、女騎士将軍は転職して新たな幸せを見つけました。
朝からこんな物語で申し訳ないです。
さて、本作は全年齢用のお上品な物語ですが、18歳以上のお兄さんたち用の極めて上品な物語を『ノクターンノベルズ』に投稿始めました。ブルブルの中身に興味がありましたら、ぜひご覧いただけたらと思います。
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