俺の青春に友達はいらない。
出井 愛
【プロローグ】
ある日の放課後、いつも通り部室で本を読んでいると、同じ部活の黒川が不意に質問をしてきた。
「貴方はどうして友達を作らないの?」
「まさか、お前にそれを言われるとは思ってなかったんだが……」
彼女が言う通り俺には『友達』がいない。
でも、それは黒川にも言えることで……つまり、俺達は同じ『ぼっち』というわけだ。
「安藤くん、私を貴方と同じにしないでくれるかしら?」
「え? でも、お前も友達作らないじゃん……」
と、思ったが……
まさか、否定されるとは思ってなかったな。
「フッ、私は友達を『作らない』じゃなくて『作れない』だけよ!」
「それ、胸を張って言うことじゃないから!?」
黒川って見た目は良いけど、めんどくさい性格してるよなぁ……。
「俺は黒川がその性格を直せば、友達の一人や二人くらいはできると思うけど?」
「そうね。何処かに私の性格ごと受け入れてくれる良い人はいないかしら……?」
「性格を直せばって言っているのに、受け入れてくれる奴を求めるなよ……」
まるで、そういう人物に心当たりがあるような言い方して見栄張らなくてもいいからね?
もう、誰かこいつと友達になってやれよ……。
「そもそも、友達なんていなくてもいいだろ」
「それでも、私は誰かと繋がりが欲しいのよ」
繋がり……ね。
「貴方は欲しいとは思わないの?」
「俺は……」
俺だって『友達』という繋がりが欲しいと思ったことはある。
だから、俺は――
それを捨ててきた。
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*この小説はYouTubeで読者の皆様と作業の内容を配信しながら執筆したものになります。
【今回の作業アーカイブ】
https://www.youtube.com/watch?v=Blh9jOX_39I&list=PLKAk6rC5z4mR39sRFDtVHqVqlPwt0WcHB&index=1
詳しくは出井愛のYouTubeチャンネルで!
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