第8話 段落、空白、改行の必要性

初めに視点の混在について苦言を言いましたが、あれはプロであってもやってしまう過ちなので、素人がやってしまうのはある意味仕方ない。もう慣れるしかない。

 しかし、投稿作品によく見られる段落なし、行詰まりすぎ、空白多すぎ無さ過ぎ……。これ本当に多い。人に読んでもらう文章なのに読ます気も、読みやすくしようという心遣いも無い作品が、もう多い事多い事。これでもかと多い。


 段落について、私は投稿する際にこの話をするためだけに冒頭につけてません。本来は文頭であってもつけたい、あって欲しい派です。文化庁では話の初めにはつける事。物語、章、話などの明らかに最初の文章とわかるものに限りつけなくても良いとされています。

 付けなくていいものは、個人的につけている日記、プライベートメールやLineなどのSNSといった個人宛のものだけです。あとは英文でしょうか(英文の小説を見た事がないのでなんとも言えませんけど。確か両端揃えだとか、一行空きとか違ったルールだったはず)。


 ここ日本では縦書きはもちろんですが、横書きだろうとつけるのが当たり前です。大学、社会人になり論文やレポート、報告書と書く事があると思いますが『必ず』いります。無いものなんて無い。小学生でも知ってる事です。なのに最低でも高校生でしょうか、中には社会人と言ってる方でも段落がない。もう読み難くて仕方ない。小説とかの話しではなくごく当たり前の常識、マナーです。


 段落無いけど会話や場面変わったりで空白してるよ。なんてのは言い訳です。つけるのが当たり前で常識なのです。


 皆さんも思い当たる作品沢山あるかと思います。当たり前に溢れているのですが、読み難くないのですか? 書いてて違和感がないのでしょうか。だいたい他サイトは知りませんがカクヨムには文頭に段落をつける機能が親切にもあります。なのに無い。私は理解できず不思議で仕方ない。


 なぜ段落や空白が重要で、無いといけないのか。わかりやすく言うなら映画やドラマ、漫画のカット割りです。ドラマや映画でカットが一文、一言のたび変わるもの無かったなと思いませんか?


 1カメ固定映画など一部除きますが、読み手は文章から脳内で段落、空白があるたびに自分なりのカット割り、コマ割りをして想像を膨らませます。

 なのに段落がない、空白がない、改行が多いなどだとカット割りが何度も起きたり起きなかったり、これらで脳内リセットをしたいのに出来なかったり。と情緒がなくなるんですね。


 従って作家の方はここを意識して文を書いたあと、作家だからこそ伝えたい描写が読者よりも浮かぶのですから読み返して見れば完成度はあがるはずです。



 次に行ですが、ここは少し微妙になります。

 ある記事には最適な行とは五行前後と言われています。人が文章を見たとき意識的に見れるのが五行ほどと書かれてました。

 ただ異論というか反論というか、そもそも小説は段落を含めても五行どころではなく文章がぎっしりしてるので小説に関しては当てはまらないかもしれない。レポート、論文、報告書なんかはした方がいいかもしれない。web小説でも読みやすいように気配りで意識した方がいいかもしれない。


 投稿サイトはスマホでも読むので縦と横が存在してしまいます。PCと横はたぶん同じ行になると思うのでいいですが仮に五行で書き終えても、スマホで縦で読むとほぼ倍になります。

 これだと読むのに苦痛です。詰まってる文は見ただけで疲れ飛ばして読むことなんてザラです。

 従って個人的解釈ですが、電子版で横書きになる投稿小説に限り3~4行以内で改行、段落、空白が良いのではないか。が私の見解なので微妙と言った理由です。なので作者の好みで良いと思われます。



 最後に空白ですが。これもかなりあるのですが会話や地の文の間でやたら空白があるもの見たことありませんか?

 前述で言ったように場面が変わる時に使うわけですが文字が消えるくらい空白があるものまであります。これが意味がわからない。スクロールする手間が非常にめんどくさい!


 確かに何か強調したい時に2行後に書かれたものはあります。これはちょっとしたテクニックとしてありますが、小説でもあまり見ません。無いとは言わないがあまり無い。プロの方はそんな事するよりも地の文にて表現した方が深みが出る。と言った理由であまりないのではないかと推測してます。



 そんな事をしてる人は文章力が私は無い! 考えるのめんどくさい! と言っているようなもの。

 小説とは文字を文章で作り物語を造るから小説です。後ほど語りますが絵文字や顔文字、空白で表現するのは小説ではないです。そんなものはプライベートのメールやSNSなど個人的な場のみの表現です。


 空白で感情の爆発や沈黙を表したいなら、「顔はまるで仁王像のように怒りに溢れ、火山の噴火のように今か今かと感情を抑えてたが、やがてこらえきれずに」「屈しない! 負けない! 私は!」と倒置法や擬人法、比喩などを使って盛り上げれるよう表現するほうが小説家らしく、また小説らしい粋な表現をかっこつけて書いた方が何倍も素晴らしいです。


 と表現するのが小説家です。空白をあまりやり過ぎてもいいものでは無いのに見えなくなるまで改行してしまうのはやり過ぎです。


 段落、空白、改行は、適度なとこで使い読者に読みやすく想像しやすいようにしてもらうための、作者から読者への気配りです。


 これらが無い、無駄に多いものは読者への配慮が無いと同義となるので、感想で辛辣に言われても仕方ないと思って下さい。そのぐらい当たり前のことなのです。該当してる方は恥ずかしいことだということを気づきましょう。


 ただ残念なのは段落など無いものが多く、もう私は諦めて目を瞑り仕方なく読んでいます。

 内容は良いのに……と思うことがどれほどあるか……。なんとなく、こんなんだから未だに「なろう作家は……」と言われる原因ではないかと邪推してしまう。


 ラノベはオタク文化です。世界的に認められ、政府も後押しをするぐらいに今なってる。

 ラノベ作品ではないが、ラノベ出身作家が直木賞をとり、最近ではいつラノベ作品が直木賞・芥川賞を取る日が来るかと話題があがったりすのに、この基本が出来ていない作品が多いせいで、未だに「ラノベは……」と揶揄されてしまう原因の一つではないか。

 今まさにその当事者である執筆している自身でそう思わさせてるのではないのか。と懸念してます。



 どんなものでも基本は大事です。ないがしろにせず、知らないと言わず、関係ないとは思わず、基本を大事にし、そんな良い作品に出会いたいと読者である私は思う。

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