第4話 タイトル

いつからからわかりませんがラノベってタイトル長いの多いですよね? それで調べてみました。発端は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』だそうです。これがベストセラーになり『おれいも』とファンが略を考え浸透するほど売れた結果から業界は推し進めているのが、今のやたら長いタイトルになる事態らしい。


 確かに利点としてそのタイトルを見ただけで内容がわかり、好みを選択しやすいというのは探す側としたらとてもありがたいです。読者が読むかどうか決める最初の選択がタイトルなのは間違いない。第一関門と言ってもいいぐらい。そこからキャッチコピーなどいろいろな要素を加味して結果、購読が普通だろう。


 しかし近年、タイトルを見て期待できるかどうかがすぐ判明する作品が多い事。これも懸念してる一つです。


 タイトルとは正に顔です。そのタイトルに作者の想い、書きたい事、伝えたい事の縮図です。

 ですが今はタイトルだけで完結しているものが多い事……。


 読む意味ある? 読ませたい、読んでほしいと思ってる? と問いたいものが数え切れないほどある。


 タイトルを長くすること自体は否定しません。意味をもたせているならばです。

 例えば『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『俺の青春ラブコメは間違っている』といったものがあります。わかりやすいテーマですね。誰が見てもこれが主題の物語なんだとあらすじやキャッチコピーをみるまでもなく理解できます。


 しかし長いとは言っても主語述語だけであり、どういった内容なのかは詳しくはわかりません。読んだりした時に初めてエピソードの最後や中程のいたるところで主人公が、タイトル言葉を呟きます。なのでタイトルに意味や作者の伝えたい事が凄く表されてます。


 しかし近年のは主語述語だけでなく目的語まで書いて30字以上なんてざらにありますよね。それが悪いのかと言ったら言い切れないのですが、内容すら想像できるのはどうなんだろうかと思ってます。


 目的語があって成功してる作品と言えば思いつくのは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』でしょうか。まぁ例題としては不適切ですが思いつかなかったので。読んだらのあとに、こうなったと書いたら完全にそれです。そんなタイトルあふれてますよね。この作品は結果どうなるのかわからないので読者は興味を持ち購読してると思う。


 タイトルとはその作品の顔です。タイトルはその物語をギュッと濃縮させた作者の伝えたいキーワードだと思ってます。読んで途中や読み終えて読者がタイトルについて考察したりするのも読者の楽しみの一つです。それが無いのはいかがなものか……。


 例えば私が初めてタイトルから考えさせられた作品をあげると、東野圭吾の『白夜行』です。これは明確には語られてません。なので人により解釈が違います。私は白を百と捉えてそれほど何日も暗闇を彷徨い歩いてる。と読み終えて作者がこのタイトルから何を伝えたかったかと考えました。このように何を伝えたかったのか、何を表現したかったのかと考察するのはとても楽しい。読み終えてなおタイトルから想像を働かせれる作品というのはとても素晴らしい。


のように上記からタイトルとはとても大事なものです。


 仮にですがよくあるNTR復讐ざまぁ系物に『幼馴染がAに奪われ追放されたがBに出会い(ある能力に目覚め)皆を見返してく。~この出会い(力)で復讐しる~』


 はい、皆さんこれどう思いますか? 読む意味あります? もうタイトルで全て完結してますよね? 私の第一印象は「表現力や想像力が乏しそう」です。仮に読んで内容が良かったら勿体無いと思うでしょう。


 わかりやすいのは良い事です。それが文章で引き込ませるならなんの問題もないです。しかしながらほとんどが予想の範疇を超えない。前回でもいった視点云々ではなく、段落すらなく、無駄な改行空白を多発してたりします。

 読ませる気はあるのか……? と。


 漫画で代表的な『ワンピースやドラゴンボール』でもこれが一つのピースとなり冒険したり、目指したりと明確で入りやすい。まさに、顔である。


 タイトルとはその作家の、作品の顔である。

 ただの思いつきでつらつら長々と書いて安易につけたタイトルは中身を安易と受け取られてマイナスでしかない。

 音楽でもタイトルが決まって曲が出来たり、曲ができてタイトルが出来たり。

 小説も然り。

 取っ付きやすく、入りやすいのがラノベなのでわからなくもないけども……。

 私の考えが古いのでしょうが……。

 どうもランキングをざっと見ると内容なさそうと判断してしまうものが多い気がしてなりません。

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