第5話 一人称か三人称か

プロットを考え、キャラ設定が出来たら次に考えることは一人称か三人称どちらで書いていくかを悩まれると思います。前に述べてるのでわかると思いますが。


 私は三人称をおすすめします。


 なぜ三人称なのか。それは全ての人が常に第三者の立場で一人称よりも相手を観て感じて考えているから。特に日本人は協調を重んじる種族なので合っていると思う。一番大きな理由として視点のブレが起きにくい、または起きても違和感をもたれにくい事だと思ってます。


 一般的には素人は一人称の方が書きやすいとは言われています。その理由も似てますが本人になりきり心情を細かく描写できるし、作者自身も想像をしやすいからだ。だが素人が一番犯してしまうミスが視点のブレなのだが、物語を作る上で無意識にいれてしまう。伏線を書きたい衝動には抗えず、結果的に同一シーンで「知る由もなかった」と神視点を書いたり、主人公とヒロイン視点の感情を書いたりしてしまう事。これにより読者の混乱を招くのである。


 もちろん一人称の利点、心情描写を細かく書ける。これは主人公になりきって書けるから物語を紡ぎやすいのが強みだ。その反面、三人称はそれが出来ないのが難点でキャラが薄くなる可能性がある。それでも私は三人称を推す。


 ある記事に「だれでも他人を見てるから三人称を書けない人、向いてない人はいない」と書かれてます。まさに同意見です。確かに相手の言動を見て印象を決めたり、考えたりしてるのでその通りやなと。

 逆に一人称が難しいのは「制約が多すぎる」とも書かれていました。その例題として『冒頭の登場で「呼ばれて振り向いたら幼馴染のAが立っていた」と呼ばれた時に幼馴染のAなんて思わない』説得力ありますね。

 ならどうするか。会話の中で何かの会話などで幼馴染だと言わせないといけない。面倒ですね。やはり小説で三人称が多いのはこの理由からなのでしょうか。


 なら一人称で物語は書けないのか。恋愛は書けないのか。と、いろいろ調べてたらある記事を見つけました。それは桂正和の著書『I's』という漫画です。これが一人称の物語で秀逸と書かれてました。内容はヒロインが好きな主人公があれこれアピールしつつ他のサブヒロイン達に心惑わせながら最後は結ばれる。そんな、なろうでもよくあるハーレム有りのラブコメ恋愛漫画です。その際描かれているのは『最後まで伊織というメインヒロインの心情はわからず』好きかどうかわからないまま物語が進み主人公の恋心が右往左往してる様が、等身大の高校生で共感をえられる作品だ。と評価しています。


 気になるからネカフェいきましたよ。いやぁ書かれてる通りでした。別視点でヒロインがすでに好きだと吐露されてると萎えたりする内容の作品があったりしますが、ない方が良いと個人的に思いましたよ。

 この作品を読むと恋愛物だと一人称が良いなと思ってしまいます。

 結局はどちらで書かれていても視点のブレがないのが良い作品の条件なのでしょう。ここに至るまで数多の作家が試行錯誤し、いきついた結論なのだと改めて思います。


 ヒロインの心情を書いたらダメかどうかはその作品の内容によるので一概にどうとは言えません。私の好みは一人称のラブコメなら書かれてない方が好みかな。と読者によって様々でしょう。

 この作品はハーレムラブコメのベストセラーなので、もし一人称でラブコメを書いてる、または書こうとしてる方は参考になるし、漫画なので読みやすいんじゃないでしょうか? 漫画で学ぶものは無いと頭の硬い親や大人に言われた事はありますが学べるものもありますね。

 どんなものでも勉強、参考にしようと思えばなるものですね。


 まとめると、ジャンルを問わず書けるのが三人称。

 恋愛系は一人称の方が良い傾向にあるが特段一人称に拘る必要はなくどちらでも好みで。

 ファンタジーは短編か長編で変わると思う。前者が一人称、後者が三人称。一人称で書けなくはないが、その理由としては必ず他者の視点描写をいれなければならくなったり、伏線になる神視点を使う場面がでてきたりするからだ。


 どちらも一長一短なので自分にあった方を選び良い作品を生み出してほしい。次回はもう少し掘り下げて語りたいと思います。

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