第4話


 『クマさん』は、そんな懐かしい故郷の写真を時々アップしてくれている。


春の桜

夏の花火

煌めく川面

色づく紅葉

雪景色


懐かしい風景に心癒されたくて、時々クマさんのダイアリーを訪れる。


 何度かコメントをやり取りしているうちに、クマさんも私のダイアリーにコメントを寄せてくれるようになった。


 いつも優しくて、あたたかくて、前向きなクマさんのコメントを読むうちに、私は徐々にクマさんに惹かれていった。


会った事もなければ、見た事すらない。


そんな人に恋をするなんて、変なのかな?


だけど、クマさんとのここでの会話が私の1番の心の拠り所なんだ。


だから、私は今日も、現実の写真を仮想現実の世界にアップする。


でも、仮想現実の世界のクマさんが現実に現れる事は決してない…

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