第21話

「ううん、何もないよ。

気づいたら、家で寝てたから、迷惑掛けた

かなぁ…と思って聞いただけ。

ありがとう。

部長にもお礼、言って来なきゃね。」


私は無理矢理笑顔を作って言った。


田中君は、納得してなさそうな顔をしていたが、私は気付かないふりをして席に戻った。


そっか…

部長かぁ…


あのワイシャツ、どういう事をなんだろう…


まさか、そういう事、しちゃった?


ワイシャツを脱ぐって、そういう事だよね?


私のスーツは床に脱ぎ捨ててあったし、キャミソールとか下着は着けてたけど、そんなのどうとでもなるもんね…


うわっ、サイアクかも…


部長になんて言おう…


っていうか、もう部長の顔、見られないよ…



私の頭の中は、いけない妄想がグルグルしていて、とても仕事になりそうになかった。

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