第263話

9階は、役員室のフロア。


「どこへ行くんですか?」


私が聞くと、


「社長室。

社長からの呼び出しだ。」


「え!?」


社長って、悠貴さんのお父さん?


「噂を聞いたらしい。

今朝、暁里を連れてこいって、電話があった。」


「えぇ!?

そんな心の準備が…」


「前もって言ったら、平常心で仕事が

できないだろ?

そんなに気にする程の人じゃないから、

気楽にしてていいよ。」


「気にしますよ!

悠貴さんのお父さんですよ!」


「大丈夫。

父は俺に甘いから、反対しないと思うし、

万が一、反対されても俺が全力で守るから。」


悠貴さんにそう言われて、嬉しい反面、やっぱりドキドキが止まらない。

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