第257話

「運命の人?」


悠貴さんは、一瞬、怪訝そうな顔をした後、


「ああ、SNSの事?」


と言った。


「そうです!

見知らぬ人に恋をして、それとは別の人に

恋をしたと思ったら、その2人が同一人物

だったなんて、運命としか思えませんよ!」


桜が興奮して、まくし立てる。


「ま、俺も暁里がちょこさんだって分かった

時には、運命だと思ったけどね。」


と悠貴さんは、私を見て微笑む。


ダメ!

悠貴さんにそうやって見つめられると、私のきゅんきゅんが止まらなくなる。


「うわっ!

あっという間に2人の世界を作らないで

くださいよ~。

側にいる私たちが照れるじゃないですか。」


苦情を言う桜と、それに同調してこくこくと頷く百合ちゃん。


「いや、そんな事は…」


焦る私とは対照的に、悠貴さんは、


「悪いな。

仕事中、抑えてるから、仕事が終わると

抑えられなくてな。」


と平然と言って笑う。

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