第12話

私達は、行きつけの居酒屋に来た。


「乾杯! お疲れ~」


生ビールのジョッキを合わせて、ゴクゴクと喉を潤す。


「瀬名は面談、どうだった?」


「それがさぁ…」


と私は枝豆を食べながら愚痴をこぼす。


「『困った事はないか?』って言うから、

『残業多すぎ』って答えたのに、『そんな事

言った奴は初めてだ』ってあきれられちゃって

さぁ。」


「ぷっ

お前、そんな事言ったの?」


「だって、困ってる事なんて、それくらい

だもん。」


「そしたら、普通は『ありません』って

答えるんだよ。」


「元はといえば、田中君がとってきた仕事

じゃん。

もっと余裕ある納期で受注してきてよ。」


「お?

そう来る?

競合他社を掻い潜って高利益で受注しようと

思ったら、納期の速さで差別化を図るしか

ないだろ!?」

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