第16話

「瀬名、住所!」


田中君に言われて、スマホを取り出す。


個人情報を表示させて、


「ここぉ~」


と部長に渡した。


部長と田中君の2人に支えられて、隣のビルの地下駐車場に着くと、助手席に乗せられた。


「田中も乗ってくか?」


と部長が声を掛けると、田中君は、


「俺は反対方向なので、電車で帰ります。

………

………

こんな事を確認するのは、大変失礼

なんですが………

………

信用して大丈夫なんですよね!?」


と部長を正面から見つめた。


「ふっ

こんな酔っ払いをどうこうする趣味はない。

そんなに心配しなくても、部下の想い人を

手篭めにはしないから、安心して帰れ。」


「いや、その、俺たちはただの同期で、

そういうのでは…」

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