第97話

私は、2人を見たくなくて、席を立った。


トイレに行って戻って来たら、石原さんに呼ばれた。


「瀬名さん、一緒に飲みましょうよ。」


私は、誘われるまま、元々上村さんが座ってた席に座る。


「瀬名さん、彼氏いるんですか?」


「いませんよ。」


「じゃあ、俺、立候補してもいいですか?」


「残念ながら、落選しますけど、いいですか?」


「えぇ!?

瞬殺ですか?

もうちょっと、考えるとか、迷うとか

ないんですか?」


「ないです。

迷うほど、石原さんの事、知りませんから。」


「ひどい…」


と言って、石原さんは泣き真似をする。


「ふふっ」


私は思わず、笑ってしまった。

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