第14話

「は!? クマさん?」


私はスマホを取り出して、クマさんのダイアリーを見せた。


「私が落ち込んでたり、心折れそうに

なってたりすると、いっつもあったかい言葉を

くれるんだよね。

優しくて、思いやりがあって、大人で、私の

理想の人。

現実で会いたいなぁ。」


「お前、それ、ネットの中だけだから、いい

とこばっかり取り繕えるんだよ。

そいつも現実は、嫌なやつかもしれないぞ。」


「そんな事ないもん。

クマさんは私の理想の恋人なんだから。

田中君と一緒にしないでよ。」


「ハイハイ…

お前、酔っ払うの速すぎ。」


「うるさい!

あんたの仕事のせいで、寝不足なんだから、

しょうがないでしょ!」


2時間後、千鳥足になった私は、田中君に抱えられて駅まで歩く。


「お前なぁ、いい加減にしないと、そのうち

知らない男に食われるぞ。」

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