第102話

「暁里、好きだよ。」


そう言うと、部長の顔が近づいて、そっと唇が触れた。


「昨日は、あのまま帰ったら、全部忘れて

なかった事にされるんじゃないかと思ったら、

帰れなくなった。」


と部長は恥ずかしそうに笑った。


「暁里、具合はどうだ?

出掛けられそうか?」


部長が私の顔を覗き込んで言った。


「はい。大丈夫です。」


「じゃあ、夢の国へ行こう。」


「え?」


「遊園地、好きなんだろ?」


「はい!」


「待ってるから、支度しておいで。」


「はい!!」


私は元気よく起き上がって、着替えを出すと、お風呂に駆け込んだ。


シャワーを浴びて、顔を洗い、化粧をする。

髪は、夢の国は風が強い事を想定して、ポニーテールにした。

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