【80万PV御礼】勇者よ、逃した魚は大きいぞ
俺はブルーノ、職業は木こりだ。血の繋がりのない義理の妹アリスが【モラハラ】を理由に罵詈雑言の末に捨てられる場面に偶然に居合わせてしまった。勇者には次期女王の姫騎士、ハイ・エルフの魔術師、英雄の血を引く女騎士……すでに豪華なハーレムができあがっていた。そんな勇者にとって、ただの村娘のアリスは【いらない子】でしかなかった。
義理の妹であるアリスに対して幼い頃から淡い恋心をいだいていた。だが、アリスの勇者に対する幼い頃からの恋心を知っていただけに、俺は奥歯が擦り切れるほど噛み締め我慢していた。……せめて二人が幸せになって欲しいと、神に祈りを捧げながら俺の恋心に鍵をかけ、封印していた。
勇者のアリスに対する、あまりに聞くに耐えない、一方的な罵詈雑言についに我慢しきれなくなった俺が、勇者の手首を握り制止する。だがこの制止を平民風情が勇者の体に触れた不敬罪にあたるとの因縁をつけ、勇者から木剣での決闘を申し込まれる。俺はこの決闘を受け入れ、勇者から挑まれた木剣での決闘に勝利する。
そして俺は決意する。勇者に捨てられた義理の妹――アリスの素晴らしさを世界に知らせるために立ち上がろうと!