さっさと僕を推せVtuber! ~クラスの美少女Vtuberが僕にスパチャを投げてくる~
倉雲奈央は目をパチクリとさせた。
何度か来たことがあるブックカフェの中は、なぜか閑散としている。
現在、この店の中にいるのは、自分を含めて3人しかいない。
静かな店内で、自分と向かい合うように座っている少女の顔をジッと見つめた彼は、隣の席に座る学級委員長に耳打ちした。
「いいんちょ、なんでここに、人気急上昇中のアイドルがいるんだ?」
「倉雲くんがいた方が話しやすいからね。今日の吹雪はオフらしいから、臨時休業にして、ゆっくりお話しようかと。まだ私たちの間には溝があるからさ。ところで、もしかしたら、倉雲くんの隣に座ってるのが、双子妹の吹雪かもよ?」
隣の席でイタズラな笑みを浮かべる学級委員長に、奈央は戸惑う。
「よくある双子入れ替わりトリックで困らせるなよ。それで、これから何をするんだ?」
「今日は、オススメしたい学園ラブコメ小説を紹介しあう会なのです」
「ああ、学校で時々、いいんちょがやってるあれね」
「ふーん。流紀姉ちゃん、学校でそんなことしてるんだ」
そう興味を示したのは、椎葉流紀の双子の妹の東野吹雪だった。
「まあ、時々、面白いweb小説を見つけたら、紹介してるんだけどね。ということで、先行は吹雪でよろしく」
「私、東野吹雪がオススメしたいweb小説は、さっさと僕を推せVtuber! ~クラスの美少女Vtuberが僕にスパチャを投げてくる~ 孔明の罠さんの作品です」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896518507
「流行りのVtuberをテーマにしたラブコメみたいね」
「そう。キャッチコピーは、キャラが全員ぶっ飛んでるラブコメ。砂糖と共に笑いたいあなたへ。コメディ要素に特化した作品で、私と同じくらい人気急上昇中。美少女Vtuberとして活躍している主人公が、ある日、人気ナンバーワンVtuberから高額な投げ銭を受け取ったの。その日から、人気ナンバーワンVtuberさんとの関係が深まっていくんだけど、その正体は現実世界で主人公が振られたクラスメイト。お互いに正体に気付かない2人が現実と仮想空間を交錯させて繰り広げるラブコメです。最初に言ったように、コメディ全振りにした展開が面白いから、オススメです」
一通りの紹介が終わった後で、流紀は顎に右手を置いた。
「なるほど。面白そうなストーリーね。流石、私の妹。中々やるじゃない。でも、私も負けないよ。私のターン。ドロー!」
「いいんちょ、カードバトルみたいになってるぞ!」
隣に座る学級委員長に対するツッコミの後、椎葉流紀の紹介が始まった。
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