朝顔さんに何かを伝えたい
彼女の夢。それは歌手になる事。
先程まで読んでいたweb連載の学園ラブコメ小説のキャッチコピーを読みなおした瞬間、椎葉流紀の頬が緩んだ。
丁度その時、隣の席に座っていたクラスメイトが不思議そうな表情で、学級委員長の顔を覗き込む。
「いいんちょ。何か嬉しいことでもあったか?」
そう尋ねられ、流紀は隣の席のクラスメイトと視線を合わせながら、机の上にスマホを置いた。
「さっきまで読んでたweb小説が良かったからね。ということで、今回ご紹介する作品は、朝顔さんに何かを伝えたい。西海さんの学園ラブコメ小説です」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895985081
唐突に始まった小説紹介に倉雲奈央は目を点にした。
「急だな」
「いい作品を見つけたら、紹介したくなるでしょう? この作品は、どこにでもいる極普通の男子高校生が放課後の教室で、ヒロインの秘密を知ってしまうところから始まる王道の学園ラブコメです。ある理由で歌手を目指すことにしたヒロインと、その夢を叶えるために応援することになった男子高校生の関係性が魅力で、印象に残ったエピソードは……」
そう言いかけた瞬間、椎葉流紀は黙り込んだ。
そんな学級委員長の異変に、倉雲奈央は首を傾げる。
「いいんちょ、どうしたんだ?」
「そういえば、倉雲くんに言ってなかったね。私、ああいうシチュエーションに弱いんだよ。詳しくは、ヒロインの子が歌手を目指す理由が判明する第7話を読んでね♪ あのエピソードが1番印象に残ってるから」
「宣伝かよ!」といつもの調子にツッコミを入れたクラスメイトに対し、流紀はクスっと笑った。
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