シーズン2
葉桜琴乃には彼氏がいる。
学校から帰り、自宅の自分の部屋の机の上にカバンを置く。
それから、チャックを開けて、電源が切られたスマートフォンを取り出す。
スマホの電源を入れながら、壁に掛けられた時計を見た椎葉流紀は「ふぅ」と息を吐いた。
ただいまの時間は午後4時30分。少し休憩したら、1階のブックカフェを手伝わなければならない。
そんな彼女は、ベッドの端に座り、手にしていたスマホでWEB小説投稿サイトにアクセスした。
すると、新着欄に気になるタイトルが飛び込んでくる。
葉桜琴乃には彼氏がいる。/クローン人間
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896219312
そのタイトルに興味を抱いた流紀が画面をタッチする。
それからすぐに、こんなキャッチコピーが表示された。
彼氏がいるの。だから、私は○○くんとは付き合えません。ごめんなさい。
シンプルで分かりやすいキャッチコピーだと思いながら、画面をスクロールしていき、文字数をチェックする。
そして、約4千文字の完結済みの短編小説という情報を把握してから、本編に目を通した。
絶対に彼氏をつくらない超絶美少女という謎を軸に描かれる学園ラブコメ。
冒頭を読むだけで、どれほどの美少女なのかが伝わってくる。
毎週のように、誰かに告られているが、なぜか毎回交際を断っている理由を気にしながら、読み進めていくのを楽しく感じ、5分ほどで読み終わった流紀は、満足の表情を浮かべた。
一人称で描かれるストーリー展開も良く、終盤で明かされる真実も興味深い。
それ以上に短編小説にするにはもったいないとも感じた流紀は、作品フォローボタンをタッチした。
この時の流紀は知らなかった。
この作品が一晩で星の数が50以上になり、多くの人々によって評価されたことを。
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