俺の回りは俺のことがキライな奴ばっか。

俺の回りは俺のことがキライな奴ばっか。/紅鶴 かたあし

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889507679



次に流紀が読んだのは、こんなタイトルのWEB小説だった。妙に気になるタイトルをスマホでタッチすると、「ヒロインほぼ全員ツンデレ!」という興味深いキャッチコピーが表示される。



彼女なし歴=年齢、学力普通、運動普通、

見た目普通、なんの取り柄もなし、そんな

俺・高崎千尋の回りには俺のことが嫌いな奴が多いようで顔を合わせるだけで毒を吐いてくる妹とか力加減のない暴力を振るうバカ力な幼馴染とかそんなヤツらばっかりだ。嫌なら近づかなければいいものをそんなに俺に嫌がらせをしたいらしくおれは毎日毎日悲惨な目に。ていうかなんでお前らは俺ばっかりに絡んでくるんだ?


続けてあらすじに目を通し、何の取り柄もない男子がいろいろなヒロインたちに絡まれるという話であることを流紀は理解する。

まだ2話しか投稿されていない序盤であることも頭に入れて、彼女は自室で第一話を読んだ。


次々と現れる個性的な登場人物たちの会話が面白い。これが椎葉流紀の率直な感想だった。

おそらく、この物語はこれからもっと面白くなるだろうという勘が働いた彼女の頭には、何の取り柄もない同じクラスの男子の顔が浮かんでいた。

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