青春を謳歌したい俺と将来が安泰のご令嬢

「倉雲くんに読んでほしいweb小説を見つけたんだけど……」

 ある日の学校の昼休み、椎葉流紀は隣の席に座るクラスメイトに、スマホを取り出しながら、こう話しかけた。


「またかよ」というクラスメイトの声を無視して、学級委員長は作品紹介を始める。

「本日ご紹介する作品は、青春を謳歌したい俺と将来が安泰のご令嬢。三鷹真紅さんの作品です」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054895282867


「いいんちょ。言いたいことは分かった。要するに、資産家令嬢と付き合ってる俺をからかうつもりで、そんな分かりやすい作品を紹介してきた? 違うか?」

「ふふふ。今回は一味違うよ。キャッチコピーは、クラスメイトはヒロインの許嫁。もうそいつが主人公だろ。主人公のクラスメイトの許嫁の子が転校してきたことから物語が始まります。転校初日からクラスメイトが許嫁だと告白した場面は、衝撃的で面白かった。そこから、主人公とクラスメイトの許嫁の子の距離が縮まっていくような展開になり、どんどん面白くなっていく。そんな学園ラブコメです」


「許嫁って婚約者って意味だよな?」

「そうだよ。あの資産家令嬢の婚約者の倉雲くんにピッタリな作品だと思ったからね」

「まだ婚約してないからな!」とムキになるクラスメイトに対して、流紀は両手を叩く。

「それでは、また明日!」



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