カタオヤどうしの恋

 久しぶりな暇な休日の昼間だと椎葉流紀はベッドに転がりながら思った。今日は友達と遊ぶ約束もしていないため、何の予定もない。

 そんな彼女の手にはスマートフォンが握られていた。偶にはこれを使って、ネットの海を漂うWEB小説を読んでもいいかもしれない。そう思いながら、いつも利用しているWEB小説投稿サイトにアクセスすると、こんなタイトルのラブコメ小説がピックアップ欄に掲載されていた。


「カタオヤどうしの恋/ 瀬夏ジュン」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889504194


 タイトルに魅かれ、恋愛小説好きな学級委員長がタッチする。


 すると、「とつぜん現れた美少女」というキャッチコピーとあらすじが表示された。



 朝食を作ってくれて、これから身の回りの世話をするという。

 どうなることやら。


 *ゆきんこさまの「僕たちの恋物語」のリメイクをきっかけに創作した作品から、さらに創作しました。



 キャッチコピーとあらすじがリンクしているように感じ取られ、端末を縦にスワイプさせると、完結済みという文字が映る。全3話で完結していることも知り、早速第1話に目を通す。


 取材で外国に行った母親の代わりに家事を任されたのは、謎の美少女。そして、彼女との1週間限定の同棲生活が始まるという内容だった。

 流紀が最初に気になったのは、冒頭の日常描写。それがリアルだと思いながら、読み進めると、すぐに物語は終わりを迎えた。続きを読ませる力が、この作品にはあると流紀は思った。

 約5千文字という文字数で、ヒロインのバックボーンまでしっかりと描かれている印象。


「ひと夏の思い出が丁寧に描写された良作ね」

 そんな言葉が自然と出た後、また読みたいという思いが強くなった彼女は、フォローボタンをタッチした。

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