襲撃


 シリアス続きに私の中の私(?)が言う。


――遊びt((殴( ゚Д゚)


「頑張らせて頂きますっ(*'ω'*)!」


 

―――――――――――



(はぁ……)


 レナ・トワレイスは〝転生者〟だ。前世の記憶を持つがこそ、今世に憂いているのだった。

 彼女の前世はまた、今世のように誰かに縛られるものだった。だからこそ、と考えた今世でさえ、最大の敵たる母に縛られる始末。


 そして今、彼女の運命を一生母の道具として使われる第一歩の儀式が行われようとしていた。


 昨晩、想い人への最後の懺悔のように泣き、彼女の心は決まっていた。


(リアス君のために……)


 例え彼がそれを拒もうと。


「初めまして。君がレナ嬢かな、実に可愛らしい」

「ありがとうございます。ドクレナ様も、凛々しゅうございます」

「それは照れるね。ありがとう」


 互いに笑みを浮かべる。産まれてこの方、いや、前世でも笑うことなんて容易かったのに、なぜか今は苦しかった。

 どうにも、頬が引き攣るように、思うように動かない。


「ドクレナ殿、うちのレナはこの通り容姿も抜群でしょう。しかも、この歳にして父の認める力を持っているんですよ」


 まるで、自慢するかのように母は言った。

 それを聞き、彼は本当に驚いたように私を見て、すぐに笑みを浮かべた。


「その歳で、か……僕も精進しないとダメですかね?」


(見え透いてる……)


 その笑顔の裏で、見下しているだろう。絶対なる傲慢さは、誰しもが抱く。女の、しかも年下の私に負けるはずがないと、彼は本当に思っているのだろう。

 余裕か、それとも母への呆れか。少なくとも、彼が私にさらに興味を抱く切っ掛けにはならかったようだ。


 その様子を見ても、何ら変化の無い母。余裕なのか、気付かない程に落ちぶれてしまったのかはわからない。


(にしても、私母さんにこんな冷たくなれたなんて知らなかったなぁ……)


 もし、もっと前に離別できたなら。

 そんな妄想が頭の中で浮かんだけれど、すぐに掻き消された。目の前の男のせいだ。


「失礼、先ほどから俯いていますが、どういたしましたか?」

「な、なんでもないです。このような場に慣れていないもので……申し訳ありません」

「それなら結構です。さて、長話も無駄ですので本題と行きましょうか」


(本題……?)


 そう問い返そうと口を開く。



――瞬間。


――ッ……。


(足音ッ!)


 迂闊うかつだった。憂鬱なことが続いていたからか、警戒を怠っていた。

 不審な足音に魔力で視れば、それは明らかに[龍人族わたしたち]では無い生き物のもの。


 瞬時に見渡せば――


(囲まれているッ!)


 家の周囲に、およそ数十の生き物の反応があった。その体内を巡る魔力の形状から、人型だとわかる。


(でも、この大陸でこの場所に入る、入れる種族などいない、ってリアス君は言ってた)


 なら、なんで。

 そう考えるよりも先に、事態は進行した。


「【――、――――】!」


 ドガァン!


「きゃあっ!?」

「突撃!」


 突然の衝撃とともに、雄叫びのような号令が鳴り響いた。

 それと同時に、私の魔力察知内で2つの出来事が起きた。


「えっ……?」

「なッ……?」


 母の腹から腕が生え、外の者たちと思しき魔力が1つ消えた。


 その立て続けの異常事態と、母の腹から滴る赤い液体と、それを多量に付着させた腕を見て、脳内処理が困難に陥り――


(あ……)


――意識を手放した。




――――――――――――――


 つまりは襲撃されて母が瀕死&外も1人死んだってことですぜ(*‘∀‘)

 

 ヒーローは、遅(ry

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