用語解説
オムニバース 第一話用語解説
■解説
舞台は二一五三年のアルビオン(VRサーバ)。ハッカーの祭典ウィザードコンベンション当日。しかしこの時点で会場は既に会場跡になっている。この日アマルガムネオ、アマルガムアーク両社によって実行された大規模捕獲システムによる一斉検挙は後にアルビオン事件と呼ばれ、対象はクラッカーからニュート(疑似人格)にまで及んだ。事件に巻き込まれたツバサは当時十二歳。これを切っ掛けにヒーローを目指すことになる。
■人名
【ツバサ/冬堂翼】
当時十二歳。情報災禍に起因する帰還障害症からの数少ない回復例。しかしその風当たりが一因で生来のコミュニケーション不全が悪化。ニュートだけが友人の幼少期を過ごしていた。
■用語
【ニュート】
一式人格と呼ばれる自律型疑似人格。またはそれを搭載したサイバーフレーム。人間に近い情動反射を持つが他のAIと同様にアジモフコードの批准を義務付けられている。人格がフレームと深く結びついているため個体のほとんどがワンオフで構築されている。正式名称は固有名の後に「ν」が付き、プロフィールタグは書き換えができない。ちなみにニュートの語源は商標から派生したもの。
【バトルハッカー】
オムニスケープではハッキングが物理的な事象として演出される。干渉、侵入、改竄、またその防衛は端的に戦闘行為として変換されることが多い。それらを総じてバトルハック、バトルハッカーと呼ぶ。高度なクラッキングは超常的な現象や行動に演出され、そうした行為がショーアップされることもある。
【インターセプタ】
事実上アマルガム社が運営する治安隊の対クラッキング要員。またはその特殊兵装。形状は全高二メートル半の二足歩行重機。所属によりカラーリングと装備が異なる。ロイコサイトと呼ばれる索敵ドローンを従えている。
【オムニスケープ】
神経接続VR環境。今やドライスケープの代名詞。限りなく物理的な世界を構築する分子マテリアル記述とゲーミングワールドのような演出エンジンを備えている。現バージョンはイマジネータドライブを実装した第三世代。この成功によりアマルガム社(後のアマルガムオルタ)は実質的に世界を掌握した。
【ドライスケープ/ウエットスケープ】
ドライスケープはVR世界を表す俗語。ウエットスケープは現実世界を指す対語。現実世界あるいは生物が「湿っている」のに対しデジタルが「乾いている」ことに由来する。高度な神経接続により五感はすべて置換されるが体感的にVR世界は湿度が低いという説もある。語源はルディ・ラッカーの小説。
【フレーム/サイバーフレーム】
ドライスケープ内の構造物。一般的には神経接続と感覚置換により操作された人体を指す。神経接続による操作は本来体力の消耗が少なく集中力に依存する。スキンによりフレームの外装は変えられるが過度の外観変更は動作が不自然になり負担も大きい。肉体に忠実すぎる神経接続の功罪でもある。
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