オムニバース 第五話用語解説

■解説

VR世界の性風俗は神経接続の規定値を超えることができず、結果サービスは倫理的な禁忌や反社会的な嗜虐など精神的な充足に向かっていた。ヘブンサーキットの歓楽街はそうした快楽の最前線であり、その裏側は人に従順なニュートで成り立っている。そこに囚われたニュートには、恐怖あるいは救いがあった。「娼婦殺し」デアボリカである……


■人名

【ミカ】

ジャミィオーデンの娼婦。非合法に製造された一式人格ニュート。黒い髪、白い肌の儚げな少女。嗜虐性を煽るせいか、客を取るたび人格が壊れる。

【ネペス・ミハイル】

ジャミィオーデンのマネージャー。シニスターの末端構成員。

【シン/朱川臣】

擬似人格製造技師。有数の擬似人格心理学者。フィル・ローゼンの工房の最後の弟子。妹の治療費のため一時期ヘブンサーキットの非合法人格改修に係わっていた。

【朱川真琴】

十五歳で情報災禍に被災し帰還障害となった少女。朱川臣の妹。身体的に長期の低体温延命ができず定期的に常温処置を受けている。

【老人】

老舗の互助組織キリフィッシュの頭目。かつてはヘブンサーキットなりの秩序を掲げて歓楽街を治めた。今ではシニスターなどの列強に押され看板だけの存在となっている。ガンズロウを客分としていた時期があり、その縁で伝説のヴィジランテの唯一の窓口となっている。

【白い顔の男】

シニスターの幹部のひとり。

【水色の髪の女】

ヘブンサーキットの互助会を自由に渡り歩く交渉人。

【ハーヴェイ】

恐らく『深夜プラス1』のアル中ガンマン、ハーヴェイ・ロヴェル。

【アニマ】

レイチェル・ローゼン直属の特務要員。正式名称はアムデジール。

【カウント伯爵】

恐らく『セサミストリート』の雷を呼ぶ吸血鬼、カウント・フォン・カウント。


■地名

【ジャミィオーデン】

ヘブンサーキット歓楽街の娼館。一式人格ニュートの老若男女を扱う高級サロン。互助組織シニスターの傘下にある。

【冬堂診療所】

正式名称は神経接続障害群医療診療所:冬堂グリッド。所長の冬堂夏海は神経接続ブレインマッピングの権威。この診療所には多くの帰還障害者が低温保存されているため冷凍倉庫と揶揄されている。


■用語

【スケールモデル】

一世紀以上前に製造された合成樹脂の未完成模型。印刷物のパッケージは元より中身も保存のためコーティングされている。造形そのものはドライスケープにデジタイズした複製で行われることが多い。

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