オムニバース 第二話用語解説
■解説
駆け出しのヒーローハンマーガールことツバサは懸賞金を追ってハイオーシャンを訪れていた。警報を待つあいだ、声だけの相棒ロビイと口論しつつ何故かメイドの格好で配膳アルバイトのスコアを競っていたツバサだが、そこに現れたのは予想を遥かに超えた伝説の賞金首だった……
■人名
【ツバサ/冬堂翼】
引き篭もり気味の十六歳。対人コミュニケーションにやや難がありその反動かマスク一枚で性格が豹変する。神経接続時のみ対話できる副人格「ロビイくん」を抱えており、そのため傍目にひとりツッコミひとりボケを体現するちょっと痛い少女。
【ロビイくん】
ツバサの副人格。帰還障害の後遺症らしい。実存はなくツバサだけが会話ができる存在。知識や情報はツバサと共有しているが意識外も把握しているため本人より博識。ツバサが無意識に忌避したことも(本人に代わって)口にするためツバサには皮肉屋の印象が強い。
【エマノン】
民間報奨金運営サービスを寡占する「バウンティスコア」の管理者兼パーソナリティ。衣装も髪型も毎回異なっているがギャリソンキャップがトレードマークの女性。彼女の手配ポイントやオッズの評価は公式とされるほど信頼性が高い。ハンターランキングの他、賞金首の行動範囲や出現予測といった情報も販売している。
【アルティメッター】
五階建てのビルよりも巨大な超大型フレーム。イマジネータドライブの演算消費が激しく三分しか姿を維持できない。
【ライナス】
剥離型の板金鎧を幾重にも着込んだ巨躯のメタフレーム。パワー型だが耐久性はそこそこ。防御力をアクセサリの鎧で賄っている。賞金稼ぎが主な生業。
【ユーバンド】
白い全身タイツ、黒い頭巾、金色の腕輪のメタフレーム。両手から放射する光線が武器。ただし、物理属性のため槍や放水に近い。賞金稼ぎが主な生業。
【チェイス】
深紅のチャイナドレス風衣装の美女。双剣と体術を得意とする身体強化型のメタフレーム。賞金稼ぎが主な生業。
【ハンマーガール(二代目)】
目許を覆う黒いマスクと真紅の長いマフラー、ゲートボールハンマーがトレードマークのヴィジランテ。怪力は最強クラスだが行動にムラが多い。オムニケープの黎明期に活躍した伝説のヒーローハンマーガールの非公式二代目。
【ファントム】
神話的なブローク。伝説の賞金首。第三世代リリース当初から目撃されているが一切の電子的な記録が存在しない。AIに認識できない特性を持つ。
■地名
【ハイオーシャン】
常夏の孤島をイメージして構築されたワールドフレーム。リゾート系サーバの大手、アマルガムヴィラの運営。昨今は純然たるリゾートではなく自然系ビジネスエリアとして活用されている。ビーチエリアのマイルスパークはオープンカフェの飛び入り給仕が名物。アイドルも幾多排出している。
■用語
【バウンティスコア】
特別処置報奨金制度を通じて処理に賞金が掛けられたブロークやクラッカー(場合によってはディザスタークラスの障害)。または制度を運用する民間サービスの名称。ネットワーク統括府が正式な分解、改修処分を承認すれば保安隊の出動となるが、依頼者の匿名性や対応の迅速さなどから特別処置報奨金制度の利用は多い。
【ジャパニメイド】
ビクトリアンチアと呼ばれる若者文化発祥のスタイル。ゴージャスなモノトーンとミニスカートが特長。伝説のOTAKUカルチャーに頻出することで知られている。
【OTAKUカルチャー】
復興ブームに乗った一世紀前のサブカルチャー。ゲーム演出を継承したドライスケープは架空の表現と相性が良く旧時代のOTAKUコンテンツやコスプレイを再現した姿は各所で散見される。ことヒーロー嗜好のメタフレームは好んで模倣する傾向にある。
【フィジカルディバイド】
フレームと肉体の差異によって生じるストレスや運動障害。神経接続の高精細化に伴い深刻化した。差異を埋めるべくより微細な肉体再現を求めた結果、技術的な鼬ごっこを繰り返している。
【ドライブ/ドライビングモード】
神経接続の形態。一般的にフラット、ディープ、イマジネータの三種がある。フラットドライブはアバター操作に等しく接続時間は無制限。ディープドライブは現実の肉体と大差ない感覚フードバックがあり、連続接続は最長九時間に制限されている。使用後は九時間のフラットドライブ、またはゲートオフが必要となる。
【イマジネータドライブ】
他の二つとは少し意味合いの異なるドライビングモード。多角解析プロトコル、超並列シミュレータ、汎世界データストリームが連携し、高度な創造活動を可能にする思索具現化エンジン。フィジカルディバイドが桁違いに大きく連続使用は三時間に限られている。超過すれば強制退避が課せられる。
【資質】
イマジネータドライブの活用は神経接続の閾値など種々の制約からその行為に見合う資質が必要とされる。熟練により伸長するが先天性の相性も存在する。実は誰もが等しく完全に行使できるわけではない。メタフレームも同様。
【メタフレーム】
現実の肉体と同一の身体能力に設定されたフレームに対し、超常的な機能や能力を備えたフレームの総称。機能制限を解除したもの、アクセサリで強化されたもの、システムに干渉するものなど多岐に及ぶが、その制御には多少なりとも資質を要する。そのためイマジネータドライブ上で稼働するものが多い。クラッカー、バトルハッカーの定番ツール。
【ブローク】
危害を加える可能性のあるニュート。ブロークンニュート、BK。近年では暴走状態に陥ったオートマタやボットも総じてブロークと呼ばれる。
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