最終話 エピローグ

「――――様! ……ご主人様!」

「……ん? ああ、ウルルか」


 神の部屋で昔の記憶を思い起こしていた俺を、ウルルの声が現実に引き戻した。


「ご主人様がぼーっとするなんて、珍しいのです」

「少しばかり昔のことを思い出してたんだ」

「ああ、3年前神になった日のことです?」

「まあな」


 あの日からもう3年がたった。賢者かつ世界王かつ神という肩書を持った俺は、この世界の発展に尽力した。おかげでこの世界の技術はすでに有人探査機を宇宙に飛ばすまでにいたった。


 ウルルも3年でかなり成長したな。3年前はまるっきり子供だったのが、今では立派な美少女だ。


「どうしたのです?」


 じっとウルルの顔を眺めていると、ウルルが首をかしげた。


「いや、なんでもないさ」


 俺はそういって神座から立ち上がる。


「むーっ、何か隠しているような気がするのです……」

「ウルルは可愛いなと思ったんだよ」


 俺は本心を打ち明けた。別に隠す必要性もない。


「!? ……昇天しろということですか?」

「うん、違うな」


 どうしたらそうなるんだ……。


「うあ? ウルルは……ウルルも、ご主人様は格好いいと思うのですよ?」


 ウルルは一通り恥ずかしがった後、俺にそう告げてくる。その薬指には指輪が輝いていた。


「エレーナとミリアが食卓で待ってるのですよ」

「おう……いくか」


 俺はウルルと共に、2人の妻の元へと向かうのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チートで賢者な俺は異世界に革命を起こす ~天才、鬼才、稀代の賢者……それ全部俺のことらしいです~ どらねこ @yukidaruma

現在ギフトを贈ることはできません

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ