概要
心を失った男が居た。
時は19世紀アメリカ、蒸気機関車が唸りを上げ、魔導と硝煙と荒涼が吹きすさぶ西部開拓時代。
魔導使いの男、"キャノンパイル"レイ・バレットは、とある人物を探し、ゴールドラッシュに湧くサウスダコタを旅していた。
レイのゆく先々で巻き起こる、西部のアウトローたちとの決闘、血闘、そして欠闘。
出会った人々、殺した人々、少しだけ心を交わし、そして去りゆく人々。
全てはただ、黒き丘の風に。
魔導使いの男、"キャノンパイル"レイ・バレットは、とある人物を探し、ゴールドラッシュに湧くサウスダコタを旅していた。
レイのゆく先々で巻き起こる、西部のアウトローたちとの決闘、血闘、そして欠闘。
出会った人々、殺した人々、少しだけ心を交わし、そして去りゆく人々。
全てはただ、黒き丘の風に。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!恐ろしく解像度の高い世界
まず作者の知識量に舌を巻く。自分は恥ずかしながらこの年代のアメリカに造詣が深くないのだが、リアルに作り込まれている。土台がしっかりしていれば、その上に築かれる物語への信頼感も高まり、リーダビリティを生む。
乾いた、荒涼とした、閉塞した、斜陽の、世界。そこには西部開拓時代という言葉のイメージとは裏腹の、立ったまま朽ちてゆくような空気感がある。それは主人公の人物造形にも表れており、少年、であるはずなのだが奇妙に老成している。これが、単に同年代との接点がなかったが故の他愛ないズレなのか、それとも何かの理由で見た目通りの年齢ではないのかは今のところ定かではないが、豊富な語彙と相まって、夕闇迫り影…続きを読む