アバウト・エネ "ミー"

 坂を、下りていた。どこまでも続きそうな赤土をしっかりと怒りながら歩いていた。

 二年前、あの時は春で、ボトムズはハンスコムの所に百回目くらいの議論を吹っ掛けにいったところだった――ラギッドに居座った老人たちが独占した金庫だったりいっこうに改善される見込みのない鉱泉探掘への協力だったりそういったもろもろのことを打ち合わせるためだ。

ゴードン・ハンスコムはとんでもなく気難し屋だが、彼だけはこのラギッドに住む老人たちの中で唯一物事の道理をわきまえている。他の老人たちとはあまりにも頭の構造が違う。

やつらは最悪だ。仕事だから嫌々顔を突き合わせることもあるが、本来なら顔も見たくなかった。折衝は最近だとほぼほぼハンスコムが担当してくれるから、救われてはいる。

彼は自己顕示欲からも物欲からも解放されており、信頼は難しいが......それでも信用できるというのがおおよそのボトムズの評だった。


 ぼさぼさの赤毛をわしゃわしゃと掻きながらなおも坂道を行くと、見知った人物が二つの荷物を手に行く手を塞いでいるのが見える。

ボトムズはケイトのランチ・ボックスを届けに来てくれたグラントに手を振った。


 「大体さ、いくら自分達が年を食って、働けなくなって、それでもって追い出されかねないからって――あまりにも滅茶苦茶だと思わないか? まさかフロンティア全盛の今に、こんな......封建制にどっぷり浸かってる様な街が存在するなんて考えられない」


 親友と合流して、ぼやぼやと愚痴を吐き出しながらうめく。

ボトムズは中世イギリスにでも時間旅行したみたいだと鼻を鳴らして呟いた。

気のよさそうな太っちょは苦笑いして、ヴェルヌの小説じゃないけど、それもそうだねと返す。


 アンブラ・リッジがまだ金ぴかだった頃に、老人たちが何も考えずに荒稼ぎした財産がまだ沢山残っていて――それが街を辛うじて廻しているというのが若者たちでの専らの噂だった。そしてその金庫の鍵は、老人たちしか知らない場所に隠されている――とも。

彼らは上層の区画で通信販売を利用して、肉を食べ賭け事をし本を読んで暮らしている。

下層に住むボトムズたちとはほとんど接点はないし、なくても構わなかった。

老人たちの間には――文字通り『お山の大将』意識が蔓延している。彼らは自分以外の全ての人間を嫉妬深い愚か者か、野心を持った無頼漢のようにみなしている。

どうせ顔を突き合わせても互いにまずい思いしかしないのならば、いっそ居ないものとして扱った方がちょうどいい。愛国心と偏狭が妙な具合に結託してしまっている連中と好き好んで論争する道理はどこにもなかった。戦争帰りは結構なことだが、周りにまでその気風を持ち込まれてはたまったものではない。


「もう戦争War isoverわったんだ」

「そうかい?」

「そうさ。もう南部も北部も、弾、カネ、人、あらかた吐き出し尽くした。これからはステイツは少しずつ息を吹き返していくだろう。このフレーズだっていつかきっと平和のモニュメントになるかも知れない」

「ううん......おいらは、それは違うと思う」

「どうしてだ? 現に戦火はもう消えてる。まさか『ドクター』なんてものを信じてるわけでもないだろう? MOAが南軍の精神干渉によるデマ・ギコイの一種だって結論を出してる」

ボトムズの返答に、グラントは違うよと言った具合にくしゃりと微笑んだ。

これはさ、個人的な見解だけどね――そう前置いて、彼は言う。

「思うに戦いに終わりなんてないんだ。そもそも戦争ってなんだ? 敵ってなんだ?」

ボトムズはぎょっとした。

彼は時々なんでもないような顔で、とてもよく解らないことを言う。

「それは、シビル・ウォーだったら南軍からの北軍、北軍から見た南軍みたいに――進む道行きに邪魔なものってことなんじゃないのか」

「うん、そうなんだけどね」

だけどそれは一つのイデオロギーからの見方にしかすぎないとグラントは呟く。

丸く円い、人好きのしそうな顔はしかし今は永遠の命題に臨む哲学者みたいに険しい。

「おいらたちはいつでも、おいらたちの敵を探しているんだ」

その言葉はボトムズについて、一筋の考察を投げ掛けた。

彼は自省のただ中にさらされていた。赤土の坂の上で、言葉が更に重く響く。

「安心して、おいらだってそこまでよく解ってるわけじゃない」

「ここまで身を乗り出したくなる話し方をされて、今更それもないだろ。続けてくれ」

「分かった、じゃあきみのぶんの弁当もちょっと分けてくれよ」

「............」

 ボトムズは黙ってグラントが持っている弁当箱をひったくり、袋を解いて中を確かめた。

小ぶりの木箱にはパン屑一欠けらも残されていない。


「何も無いじゃないか!」

ボトムズは世界の中心に向かって叫んだ。

「違うよ、君のはこっち」

呆れた口調で、もう一つの弁当箱を手渡される。せっかちだと言われた気がした。

「あー......あれだ、塩漬けの豆ならやってもいい。一旦座ろう」

「本当かい? いやぁ、嬉しいな」

グラントはそう言って手近な岩を指差して。二人揃って、腰掛ける。

袋を解いて手掴みで煮豆をグラントに放った。器用に取ってばくばくと食べる。

「うん、う、う、美味い。そうだな、これは豆五粒ぶんの思索だ、だからきみも豆五粒ぶんくらいの覚悟で聞いてくれ――考えなんてものは正しくても間違いでも糞の役にも立ちやしないんだからさ」

ボトムズは黙って頷いた。

「敵は多分

「居ない?」

「居ないから、探してるんだよ。もちろんぶち殺したい奴もいる。競わなきゃならないやつもいる。そう言うものは敵と呼べるのかもしれない。でもさ――それって結局、おいらたちが勝手に造ってるだけじゃないか。人との関係性の中でしか敵はいない。繋がりの中にしか仇はない。例えばさ、おいらたちが敵を敵と思うプロセスには、かならずきみの弁当に入ってるサンドイッチのバターみたいに......何かしらの理由付けが挟まれるわけだろ?」

「まぁね。アイデンティティで敵とみなされる人間、そうでない人間も居るかも知れないけど」

「それも一種の理由さ。『ボトムズ・ハインウェイ』と言う単語一つを憎む輩は居ないんだ。そこには何かしら敵に回る秘密がある。それが関係性という一所に包含される」

「待て、整理させてくれ」

「もちろん」

「あれか、罪を憎んで人を憎まず――そう言うことか?」

「流石ベティ。近いよ、その考え方は。関係性そのものを敵って認識の根源だとするとさ、それは『ある』ものなんだ。でも『beる』は能動だろ? だからさ、敵は居ない。つながりを好いたり嫌ったりするおいらたちが居るだけなんだ」 


いつの間にか二人は下層へと続く道を消費し尽くしていて、足は自然にケイトのゼネラル・ストア(フロンティアの雑貨屋)に寄っていた――たぶんこの店の売り上げの一割くらいは俺とグラントで持っているんだろうなとボトムズは思った。

ずっしりと重い木のドアを開ければ、心安く暖かい内装が出迎えてくれる。

ケイトは高圧蒸気に糊を混ぜた蒸着機械ラミネーターで、食糧を片っ端から梱包している真っ最中だった。美しい金髪が何筋か、汗で額に張り付いていた。

とるとるしゅぱぱと言う蒸着機の間の抜けた音をレバー一つで黙らせて、彼女はこちらを振り返った。午後二時の雑貨屋に金色の瞳が煌めく。


 商品棚には食料品が多い。旅人とか金鉱堀り(こちらはもうほとんど来ないが)にはペミカンやジャーキー、メープルシロップに蒸気饅は軒並み需要が高かった。

運が良ければ気狂い牛追い団キャトル・ドライブが色々と皿だの塩だのを買い込んで行ってくれることもある。食堂も小さいながら併設していて、よく若者たちが食べに来る。ボトムズとグラントの家は遠いから、今までも何度かここで三人、食卓を囲った。

そして今日もいつも通り、ボトムズは売り物のペーパーバッグを取り出して食堂の丸机と平たい安物の椅子にめいめい腰掛ける。

机の上には彼が置いた三十セントがばっと散らばり、ケイトはそれをキャッチして後ろのカウンターにぴぃんと指弾の要領で爪弾く。グラントがおおと感嘆の声を上げた。

しかし硬貨は――当然のことながら――あらぬ方向へと放物線を描き、三つの内そのどれもが彼女の狙い通りに収まることは無い。

ちょっと経営が傾いているゼネラル・ストアにペーパーバック一冊の代金が虚しく響いた。


「どうせここに戻って来ちゃうなら、お弁当持ってかなくても良かったじゃない、グラント」


 ケイト・トンプソンは半ばやけくそに、すねたように呟く。彼女にとって作りたての料理を人に食べさせられないことはとても不名誉だと、そう言いたいらしかった。

「だめだよ、持って行かなきゃ」とグラント。

「どうして?」

「おいらが道中に食べるぶんだよ」

「あのねぇ」

「今日のトマト美味かったよ。塩漬けだよね? あれ。ここら辺だと絶対採れないじゃない」

「ああ.....その、お爺さんたちが分けて、くれたの」

何やらケイトは沈んでいるようだった。先の失態を引きずっているのかもしれないし、もっと別のことを考えているのかもしれない。ボトムズは慌てて会話を引き戻そうと試みた。

「その、ケイティ。お客さん来てないのかい?」

「来てるわよ。今日、初めて、二人もね。嬉しくてどうにかなっちゃいそう」

彼女はそう言って小さく笑った。



                 +



 「なあ、ベティ。きみとおいらで――この街を分捕っちまおう」

彼はいかれてしまったのだろうか? ボトムズはいぶかしんだ。

グラントは時々、平気な顔でよく分からないことを言う。

しかし彼は変わらず肉に挟まれた目から鋭い眼光を、一度も見せたことの無い目つきを覗かせて、グラントの家に火薬を取りに行こうと言ったときに、何故か一緒に持ってきた猟銃を旗でも掲げるように空に突き出す。

それは彼がやるとどこか滑稽に見える。


 「覚えていないわけじゃないだろう? ケイトのこと。おいらが殺したんだ。きみじゃない。おいらが全部やった。あの時ケイトを犯した屑を撃ち殺したのも、死体を洞窟の中に埋めたのも、ハンスコムに事情を全部説明して、失踪に見せかけたのも」

「グラント、きみはその......セックスの問題に取り憑かれている。落ち着いて、自分を取り戻すんだ。いや、違う、確かにケイトの件は俺たちがゆっくり向き合ってかなきゃならないことだが――今じゃないだろう。頼む、やるべきことを見間違えないでくれ」

「間違えてなんかいないよベティ。おいらがここに居る理由なんてもう、きみとケイトくらいしか残っちゃいないんだ。解るかい? 誰にでも『たった一つの願い』ってものはあるだろう? ケイトだったらお前と一緒にラギッドを出て行くことだ。きみだったら......なんだろうな、大方居場所が欲しいとかそんな小物っぽいこと考えてるんじゃないか?」

「――いつから、そんな風に思っていたんだ? その言葉は君の本当の感情なのか?」

ボトムズは表情を変えずに、注意ぶかく尋ねた。心では疑念が漣を立てていた。

「なんだい、急に愛想悪くなったね......いや、そこまでのことを信じてくれてたのか、嬉しいな」


 グラントは......グラント・ハンスコムはどもってもいなかったし自信もたっぷりあった。

彼の糸のようだった人懐っこい眼はもう遠く、かあと見開かれた瞳孔は静かにゆらめく狂気に彩られている。ボトムズの脳裏を再びグラントの笑みがよぎった。何故だかボトムズは自分がひどく哀しんでいるのが解った。感情は彼が昔大学カレッジで接続し損ねた反射導式系にも似て、虹色の煌めきを小さく血のように垂れ流していた。

「おれは今日ここで、ラギッドを壊す」

ボトムズはグラントの口調が変わっていることに気付く。

森の妖精みたいな体型の彼はしかし、まるきり似つかわしくない――ボトムズが安心できると思っていた笑みをぐしゃりと浮かべた――今にして思うと、それは凡そボトムズたちに対する欺きだったのだ。

「気付くのが遅いぜベティ。遅い。いやちょっと抜けてるところも好きなんだけどもね」

グラントはそうこぼす。ボトムズは吼えるように詰問した。

「土砂崩れを起こしたのはきみか?」

グラントは首肯した。

彼がこの事態を引き起こしたならば、彼は魔導士なのだ。

何故今になってこんなことをしようと目論んだのかは解らないが――思い返すと不審な点はいくつもある。死に掛け鉱山街のラギッドに昔から住んでいるのに、いやに博識なこと。何故か僻地に住んでいること。今日になって家がたまたまぶっ壊れていたこと。

しかし。

「なぜ、こんなことを?」

突き詰めればこれだった。理由はあるのだろうが。

「老人たちを皆殺しにするためだよ。金鉱の偽データもそれの布石だ......と言うか、そっちが本命だろうか? まだ上の方の備蓄には余裕がある。きみが鉱山にもう一度来いと言っても、貸す耳くらいはあるだろうさ」

「......まさか」


 ぱちり、と事実のボタンが掛かり合う。グラントが(詳細は不明だが)落盤を引き起こしたと言うならば。そんな魔術を持つと言うことだ。ボトムズが偽の金鉱のデータを餌に老人たちを鉱山におびき寄せ――名目は何でもいい、それこそ『かつてのラギッドを取り戻そう』とか――で、グラントがそこで落盤を起こしたならば。

何もかもが、潰れる。

仮に外部の人間が来ても土砂崩れで塞がれた山道の壁により工作を施す時間は十分あるし、何より殺し漏らした獲物を閉じ込める鳥かごにもなる。

しかしそれはあくまで、ボトムズが協力すればの話だ。


 「今は法も秩序もある。第一俺がそんなことをさせない。ケイトもきみを許さないだろう。グラント、きみじゃ――ああくそ、最低だ......その、最悪、俺は君をぶん殴らなきゃならない」

「そんなことしなくてもいいよ。そんなことも多分出来ないだろうしね。おれはきみを誘いに来たんだ、最初に言ったろう?」

 ラギッドを分捕っちまおうって......簡単さ。きみは老いぼれどもとの橋渡し役だ。

グラントの――グラントだったものの声はボトムズには中々実感を持って染み込んでこない。衝撃は一度に訪れず、変化する和音となって彼の頭にちらつき始める。そして今までの情報は収斂していく。


  「ケイトは今頃どうしてるかな」

彼の言葉の端からぽろりと漏れ出た名前に、錆付いた自動工形オウトマタのように首を動かしてグラントを見据えた。


 「ケイトに、何か、する気か?」

やっとのことでひねり出した声はひどく空々しい。

「うん。具体的にはきみの目の前でケイトをぶち犯す。街の皆で代わる代わるやる。絞ったら雑巾みたいに精液が漏れてくるみたいになるまで盛るよ、多分。ケイトは美人だしね」

既に言葉は意味を成さない。ボトムズの中で感情のたがが吹っ飛ぶ。

耳たぶが轟々と血液の音で唸っている......これは怒りか飲み過ぎの徴候だった。

そして今、自分が酔っているわけではないことはわかりすぎるくらいにわかっていた。

怒るのも久しぶりだったし、誰かを脅すなんてことも久しぶりだったが――それでも怒りは口から火を吹くみたいに、まずは言葉になってひどく単純に現れてくれた。


「きさま動くなケイトに触れたらその肉を残らずぶつ断ちにしてやる――さぁ


 彼女は二年前に散々苦しみ欲望のはけ口にされた。まだ彼女は物のように扱われねばならないのか? とボトムズは呟く。


 「落ち着けよヒーロー。まさかこの二年間が、おれにとって本当の偽りだと思っているわけじゃないよな? いや、でも......きみのそんな顔、あの日以来だ、すげぇや! ずっとおれもおいらも、ボトムズ・ハインウェイの怒ってるところを見たかったんだ」

グラントは続ける――ボトムズは自らを抑え込もうとするみたいに、MOAでも、ラギッドでも、居場所を作ろうと、善人を演じて来た......おそらくは心から。

実際その仮面は彼の感情に癒着し、筋となり皮となった。

だがそれは本当に彼の希みなのか?否だ。擦り切れる日々の中でボトムズはいつしか手段と目的を履き違えた。善人なのは居場所が欲しいからじゃない。

居場所がほしいのは何故か?決まっている、ボトムズ・ハインウェイがどうしようもないくらいに善人だったからだ。

彼のほんとうの感情は洞窟のように奥深く、湧血さえ伴う深い場所に隠されている。

。彼のたった一つの願い。

「だまれ。俺が求めているのはきさまの事情じゃない。畜生、グラントはもう居ないんだ!」

ボトムズは心も体も、涙を噴き出しながら哭いた。グラント、グラント! きみはどこだ!? あの時鉱泉を見つけて、あの時つるはしを直して貰って、あの時俺の分も一緒に飯を平らげてケイトに小突かれたきみはどこだ?

それとも初めからそんなものは存在しなかったのか?そう思うと頭の芯が不意に底冷えた。


「棺桶......」

「はっ?」

「きみの棺桶には、なんて彫れば良いんだ?」


どん底の鉱山技師には、それだけ呟くので、もう、一杯だった。

グラントは怒りも泣きもしない。ただ、またあのボール紙をつぶしたような笑みを見せてボトムズを睥睨した。そこには軽蔑/優越/焦燥、一切がなく、ただやるべきことを正しく成し遂げたと言う感情――例えるなら仕事終わりに一緒にケイトの所に酒でも飲みに行こうと言うようないつもの顔。彼もまた偽者の偽物なのだろうか?

どちらにせよひどく不愉快だった。決定的な傷は彼の中で広がり続けていた。

「今更......人間のふりをするな、グラント、くそ、くそったれ」

「それでこそきみだな。それじゃあきみをぶちのめした後、ケイトを吊るしに行こう。ベティ、利口な生き方ってものを教えてやるよ......大体そんなに過敏になることないじゃないか。おれだってきみだって女の一番汚い部分から生まれてきたんだぜ」

「だまれよ、豚野郎。ケイトも俺も君を信じてたし、友達だと思ってたんだ」

「怖いな。おれはいつでも君の友達さ。いまだって、いつだってね」


「グラント」

「ボトムズ」

「貴様が、おれの、敵か」

「仕方ないな。そうだ。おれが、おいらが、きみの敵だ」


ボトムズは震える声でグラントだったものに最後の言葉を突きつけた。山から風か吹き降ろす。夜が深まってゆく。

全てを失いかけている男は忍ばせたシングルアクション・アーミーにゆっくり手をかける。硬質で鋼質な信頼が彼の感覚を充たした。

rollinrollin襤褸風車ragid windmill、おthereis notower最早無of power,no where!い」

術式が立ち上がる。全身の血が逆流するのを知覚しながら、ボトムズは目を見開いた。

鈍色の力が筋道を立てて、全身に纏わりついてゆく。

ラギッドの闇の中、二つの影と陰が交錯した。

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