「海がきこえる」の感想

このエッセイでは、一昔前の、管理人が好きなラノベやエンタメ小説をピックアップしていく予定である。


前回は、「風のハヌマーン」の紹介をしたが、今回は「海がきこえる」というジブリ作品の原作にもなった小説をピックアップ。


有名な作品だが、原作を読んだ人はそんなに多くはないかも。

「なんて素敵にジャパネスク」の作者・氷室冴子氏が書いた作品で、「長門有希の100冊」にも入っている。


ちなみに、氷室冴子氏の名を冠した青春文学賞が始まるそうなので、要チェックである。




実は、1990年~1992年頃のアニメージュ連載時に、自分はアニメージュを毎月買っていた。

だが、この作品は読んでいなかった。

当時は青春ものが凄く苦手で、スルーをしていた。

アホだった。


あの当時、この作品を読んでいれば、もっと早く小説を書き始めたかもしれないのに、と思う。

食わず嫌いの性格はやっぱり損だ。




ただ、挿絵だけはよく覚えている。

挿絵は宮崎駿の後継者筆頭候補だった近藤勝也氏。

作品にぴったりの挿絵だ。


近藤氏がもし健在なら、というのはジブリファンなら思うだろう。

「この世界の片隅で」という作品で片渕須直氏がスターのように表舞台に出てきたが、宮崎・高畑路線の継承が、近藤氏と片渕氏によって見られたのではないか、と勝手に思ったりもする。




というわけで感想だが、最近改めて読んでみて、高校を卒業する前後のことや、90年代前半の空気を思い出して、強烈に懐かしくなった。

ありふれたエピソードが自然体で書かれている。なのに、どうしてこんなに共感できるんだろうと思った。

もちろん自分はリア充じゃなくてオタクだったのだが、それでも、作中の数々の小さなエピソードに心をゆさぶられた。

ジブリでアニメ化されてよかったと思う。

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