誰に向かって書けばいいか

ラノベあるいは小説を書く際に、誰に向かって書けばいいのだろうか。


個人的には、「不特定多数の若年層に向けて書く」、というあいまいなスタンスで書いていたのだが、それだと、「いったいこの作品は、誰に向かって書いているんだろう」という思いがしばしば発生する。



自分がネット情報で知った限りでは、プロ作家の方は次のように述べている。


「聖剣の刀鍛冶」の作者が、「高校時代の自分に向けて書いている」という内容のことを、MF文庫Jの選評ページで書いていた。

これはラノベ書きには重要な指摘だと思った。


北方謙三氏は「たった一人に向かって書く」という。その一人というのは、顔も見えないし、姿も見えないそうだが。


スティーブン・キングは、作中人物の小説家に、自分に向けて書く、という意味合いで「自分のために書く」と言わせている。


ブロガーなら、「30代男性でIT企業のエンジニア」というように、読者のペルソナを想定して書く、というテクニックもある(商品開発においても、この手は使われるようだ)。



うーむ。

人それぞれだろうか。



とりあえず、ラノベは中高生が対象なのだから、高校時代の自分に向けて書く、というスタンスはありだと思う。


それで、自分の高校時代のことを思い出してみた。

25年前のことだが、そんなに昔のこととは思えない。


高校時代はオタク寄りだった。

というより、当時はオタクという言葉はまだ一般的ではなかったのだが、それはともかく、アニメ雑誌を毎月買うようなオタクだった。


オタクコンテンツにはまっていた最大の動機は、自分の場合は、現実逃避がしたい、というものだった。

とにかく現実逃避がしたかった。


なので、一般人向けのコンテンツには反感すらあった。

しかも、好きな作品に対しても、あれこれ文句ばかり言う(好きの裏返しなのだが)。


そんな了見の狭い、気難しいオタクに向かって書くのは難しそうだ。

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