概要
ヤマトタケルとイズモタケル――古代日本を駆け抜けた二人の「タケル」
戦乱の大陸を捨て海に漕ぎ出した張旦は、東海の倭国に流れ着く。その地を治めていたのは若き聡明な王「イズモタケル」だった。彼の治める平安なるイズモの地でひとときの安息を得た張旦だったが、そのイズモにも戦火が迫る。大軍を率いてやってきたのは大国ヤマトの皇子「ヤマトタケル」だった。 『古事記』に語り継がれるイズモタケル伝説をもとに、古代日本を描く長編大河ドラマ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大陸からやって来た男が異国の地で出会った二人のタケル
大陸、今の中国辺りからやって来た男・張旦が、イズモとヤマトがまだ別々の存在だった頃の日本について、また、そこに住むひとびととどう関わったか、その数々の事件について語る物語です。
全体としては、張旦の知性や性格を感じる物静かな印象です。特にはじめのうたは日記を読んでいる感覚でした。
が、ヤマトの王子・オウスが起こす事件の数々はいずれも鬼気迫る描写で表現されています。
張旦が医者として活動したり日々の暮らしやイズモのひとびとについて語る日常の場面はさらさらと読み進められました。対して、オウスが何かをやらかすと、スクロールする手に力が入りました。
オウスは実に魅力的です。彼は、美しく、艶…続きを読む