黎明

あの人は言った

闇は深いほど 強い光が近いのだと

怒りも 悲しみも

絶望も 虚無も

夜明けの直前の 漆黒


見えない闇の先を おもうとき

そこに 果て無く続く闇をみるのか

まばゆい 光がのぼるのをみるのか

ふたつを隔てるものは無く

身じろぎひとつで どちらにもそまる 


ならば ぼくは 光をうたおう

だれひとり 頷いてくれなくても

だれひとり 微笑んでくれなくても

ぼくは ひとりでも 光をうたおう


ぼくは

信じることにしたのだ

誰にも見えない いまは ぼくにさえ見えない

ぼくの一番深いところにある 星を

いつか 星は 太陽になり 悲嘆の星々をかき消して

ぼくの奥に眠る闇を 光で満たすことを


信じることにしたのです

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