もとめる
それは
リルケの詩集だったり
凪いだ海のかなたの船影だったり
雲間からのひとすじの光であったり
それは
あなたのかさついた熱い手のひらだったり
わたしのこたえを待つあなたの目だったり
ふいに抱きしめるつよい腕だったり
心の中に張りめぐらされた糸の一本を
しゅるりとなぞられているような
小さな震えと 摩擦の熱
かすかに鳴る音を とらえようと
耳をすましている あなたが
ほんのすこし 憎らしい
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