ありがとう
「すみません」 ばかり 口をつく
褒められたときも 僕はいつも
「すみません」と つい 言ってしまう
情けないんだけれど
僕はまだ 僕というものの 価値を
見つけることが できていない
なのに あなたは いつも
僕への 花の言葉を 惜しまない
大輪の花のような 賞賛の 花束を
まっすぐに 届けてくれる
僕の心は 瞬く間に
小さくこわばって しまうのだけれど
「すみません」と言って しまいそうになるのだけれど
その花束が 温かくて うれしくて
「すみません」が 少しだけ 遠くなる
そのかわりに
僕のからだの 奥の奥から
まだ僕が 名前を知らない 熱いものが
じわりじわりと あらわれてくる
僕は その熱さに 驚きながら
僕の中にも こんなものがあるのかと 驚きながら
僕の中にも ゆるぎない価値への 情熱があることを知る
それを ぜひ あなたに伝えたいと思った
「すみません」のかわりの 言葉をさがして
あなたに 伝える 言葉をさがして
縮こまった心の中を いっしょうけんめいさがして
そうして みつけたもの
みつけた このひとことを りょうの 手のひらにのせて
僕は あなたに おくりたい
ありったけの 心をこめて
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