月をとってきて
泣き出したふたりは 本当に泣いていた
涙が大きな粒になって あとからあとから落ちて
それでも足りなくて 鼻水を垂らしていて
そんなふたりが わたしにすがりつく
小さい 頭ふたつ なでて
しがみついてくる 体を抱きかえす
右と 左に ひとりずつ
子ども番組で 流れた歌
子象にせがまれて 月を取りに行った 母象は
湖に浮かんだ 月を取ろうとして 命を落とす
そういう 歌だった
月なんか 取りに行かなくていいからね
そう言って 泣く ふたり
月なんか 取りに行かないよ
そう言って だきしめる わたし
とっても おかしくて
とっても ヘンテコで
とっても あったかい 哀しい 日曜日
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