ある夜に

雨音がする

もしかしたら 霰かもしれない

屋根を叩く音 窓を叩く音

うつらうつらと 耳にしながら

あなたの肩に 寄り添う夜


遠くとどろく 雷鳴


雷は雪を呼ぶ

もしかしたら 少し積もるかもしれない

屋根を白く 窓に結晶を

うつらうつらと 思いながら

あなたの肩に 寄り添う夜


近く漂う ささやき


眠りに引き寄せられて

半分も観れなかった映画はまだ

甘い言葉を流している

漂うそれに包まれて

寄り添う肩越しに ぼんやりと見慣れた横顔

揺らめく四角い光が 瞳に白く幻をつくる


あなたは黙って あたしの頭を肩にのせたまま

それがまるで自分の体の一部のように しているから

もしかしたら いま 

あたしはあなたの体の一部になったのかも

なんて

重い瞼で思ったりする

そんな いとおしい 夜

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