なまえのないもの
どうしてだか 泣きたくなるのです
わたしの中の 奥底の なにかが泣きたくなるのです
名前をつけられない なにか
優しくて 苦しくて 甘くて にがい
そんななにかが 音もなく涙を流すのです
わたしの奥底で 静かに涙を流すのです
かけがえのないものほど 名前を付けられない
いつか必ず終わりが来る たったひとつのものにさえ
ひとは 名前をつけることすらできないで生きていく
失ってはじめて気付くことがあると いう人がいるけれど
失ったことにも気付かずにいるものが
どれほどたくさん あるでしょう
わたしの奥底のなにかに 名前をつけることはできないけれど
わたしの奥底でたしかに 涙を流していることを
わすれないで 生きていたいと思うのです
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